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日蓮大聖人・池田大作

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政治と宗教  

「社会と宗教」ブライアン・ウィルソン(池田大作全集第6巻)

前後
10  私たちが公明党を生み出し、政界に人材を送ったのは、右のような考えからで、仏法を持って人間革命に取り組む人々によって、現代の政治の権力欲への傾斜を、少しでも是正したいと願うからに他なりません。
 私自身は、あくまでも創価学会という信仰実践弘教の組織に指導責任を負っているのであって、公明党に関しては、支持はしますが、政策決定、活動、人事等、一切干渉はしていません。信仰団体としての創価学会と、政党としての公明党は、それぞれに自律性をもった、まったく別個の組織体です。
 ただし、党創設にあたっては、仏法の理念のうえから、目的は仏法の慈悲に立って、民衆の福祉への貢献、世界平和の確立・維持に尽くしてくれるよう要望していますし、それは今後も堅持されていくと信じています。
 むしろ、信仰団体・創価学会の指導責任を負う私として何よりも心しなければならないことは、この信仰組織の中に芽ばえてくる権力欲を抑制し、純粋な仏法信仰の精神を組織のすみずみにまで、あらゆるメンバーの心の中に徹底し、維持していくことです。
 過去の多くの宗教が、巨大組織化するにつれて、本来、宗教としてはそれなりに優れたものをもっていても、結局は堕落し、形骸化して、凋落していった根本原因は、まさにこの権力欲に毒されたところにあったと思います。
 教授が指摘された点を、私たちも、きわめて貴重な示唆として受け止めていきたいと思うものです。

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