Nichiren・Ikeda
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6 明日は二十日だ。過ぎた時間。不思議と言う語は俺は知らん。
が、人が使うから俺はこれを使う。不思議の世だ。俺が不思議な世を知る時、俺の志望は達せられる時だと俺は思う。
有より無に帰る
一切を捨てて有を得、有を捨て無に帰らん
悪と善と区別できる時、俺の初めて笑う時だ
(大正九年四月十九日)
☆これは「馬鹿の俺」第一号と墨字で書かれた、封書の中に秘められていたものである。
7 愛妹ナッ子心尽くしの文と、ひじ付きを送付せり。感謝の念、胸中にあふるるの思いあり。
ねがう。幸福に暮らしてくれ。戸田は、万事を捨てた。汝が思う如く成功もせず名誉も得ぬかも知れぬ。汝等の愛着も捨ててあるが如く、功も誉れも捨ててある。大臣も大将も私の欲するところでない。要は犠牲の一あるのみ。お前も幸福に、変な希望を起こさずに暮らして下さい。東京で祈る。
愛着の きづなは何か いけにえの
玉となる身の 今のうれしさ
暮らせかし 千代も八千代も 松の色
変わらぬ顔と 我れは祈るそ
(大正九年四月二十四日)
☆これも「馬鹿の俺」第二号の中のものである。ひとりの女性との{清冽*(せいれつ)な別れがしのばれる。