Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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ローゼル デラウェア大学学長 「教員養成プログラム」を実施するアメリカの名門校

随筆 世界交友録Ⅲ(池田大作全集第124巻)

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8  「世界市民」を育てる教育を
 たとえばアメリカの大学では、実力があれば、転校したり、他の大学院に進むことが普通になっている。そこで問われるのは、「あなたは、どこの大学の出身か?」よりも「あなたはいったい、何ができるのか?」なのである。
 日本の大学は「入るのはむずかしいが、出るのはやさしい」と言われる。これを逆にしなければ、”新しい時代に対応できる実力”は鍛えられないのではないだろうか。
 ローゼル学長は「一人の人間を『世界市民』に育てるのが教育です」と。
 そもそも、個人として”世界に通用する人間”を、日本の大学は、どれだけ育てているだろうか。
 専門の実力はもちろん、自由自在に世界の人々と交流できる語学力、対話力、独創力、確固たる人生哲学、伺より人類普遍の熱いヒューマニズムを五体にたぎらせた若者を、どれだけ世界に送り出しているのか。
 「何のため」を見つめず、知識を詰め込むだけの「哲学なき教育」は、語学力もなければ、民主的な人格ももたない「大学卒」を大量につくってしまうのではないだろうか。
 学長は、こうも論じておられた。
 「アメリカ建国の父の一人、ベンジャミン・フランクリンは言いました。『人々を正しく教育しなければ、民主主義という実験は失敗するだろう』と。この言葉は、当時よりも、今はもっと切実です。
 民主主義には、未来についての『責任感』をもった人間が必要なのです。具体的には、投票所に行く前に、世界についてのさまざまな知識をもっていなければなりません。一人が『正しい認識』をもって投票してこそ、民主主義は『正しい方向』に進むのです」
 「日本の民主主義は瀕死状態」と言われる今、痛切な警告であろう。
9  まず教育の変革を!
 そのために、教師自身の自己変革を!
 それこそが、日本の二十一世紀が優先すべき大きな石」ではないだろうか。

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