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「竜の口法難の日」記念のドクター部、転… 広布万代へ盤石の基盤を

1986.9.12 「広布と人生を語る」第10巻

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25  人を得ることが中心者の責務
 『三国志』の舞台となった魏、呉、蜀の三国は、いずれも、やがて滅びていく。国の興亡は世の習いであり、まぬかれえない歴史の必然である。ただし、三国のなかでは、呉がもっとも長く続いている。国力の富んだ魂ではなく、なぜ呉の国がもっとも長命であったか。私はここに大切な問題がひそんでいることを感ずるのである。
 呉の初代皇帝・孫権が印綬を継ぎ、呉の主となったのは、弱冠十九歳であった。このとき玄徳はすでに四十歳であり、曹操は四十六歳であった。
 この若き指導者・孫権のもとには、周瑜、魯粛をはじめ有能な臣下がいた。周瑜は孫権に、こう忠言している ー 「何事も、その基は人です。人を得る国はさかんになり、人を失う国は亡びましょう。ですからあなたは、高徳才明な人をかたわらに持つことが第一です」と。
 若き孫権は、この言葉を忠実に実行し、王権の基盤を築いていった。
26  末法万年への広宣流布の盤石なる基盤を築くのもまた、同じ方程式である。この原理を幹部の皆さま方はけっして忘れてはならない。
 中心者のまわりには、信心強盛にして人格のすぐれた、有能な人々がいなくてほならないし、責任感の強い人がいなくてはならない。反対に、世辞と野心と名聞のずる賢い人はおいてほならないし、だまされてはならない。これからの指導的立場になられる方々は、このことをよくよく銘記していただきたい。
 本日はつれづれのままに所感を語らせていただいた。皆さまにとって何らかの示唆になれば幸いである。嘗さま方のますますのご活躍とご健闘を心から念願したい。
 『三国志』に関しては、主に吉川英治著の小説『三国志』によった。

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