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日蓮大聖人・池田大作

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群馬三大学会、婦人部香風会の合同結成式… 幸の人生開く強き信心の一念

1986.9.8 「広布と人生を語る」第10巻

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2  群馬の地は歴史的にみても、不思議なほど多くの人材をはぐくんできた伝統をもっている。
 文学の世界をみても、詩人の萩原朔太郎、山村暮鳥、湯浅半月、大手拓次、作家では田山花袋、山口寒水、俳人・歌人では村上鬼城、土屋文明も出ている。また、宗教・思想の分野では新島襄、内村鑑三、数学者では関孝和がいる。さらに、古くは武将・新田義貞がおり、現代にあっても二人の首相が出ている。
 また、日蓮正宗にあっては、”中興の祖”と仰がれる総本山第二十六世の日寛上人が群馬の出身であられる。
 こうした人材輩出の伝統を継承し「人材の王国 使命の群馬」として、広布を担いゆく人材を陸続と輩出していく、さらに輝く伝統をつくっていただきたい。
3  日寛上人は八歳のときに実母と別れ、養母の手で育てられている。また、第二祖日興上人にあられても、四、五歳のころ父親が他界、母親は再婚したので、祖父のもとで少年期を送られている。さらに、第三祖日目上人も五歳になったころ、慈しみ育ててくれた祖父や祖母、そして父親が相次いで死去し、厳しい環境のなかで育っておられる。
 おそらく学生部の皆さんのなかにも、父親や母親がいないなど、大変な家庭環境の人もいることと思う。しかし、むしろそうした厳しい環境のなかから、真の人材が育ちゆくことを知らねばならない。
4  万物は変化していくのが自然の姿である。人間の心や身体も、動植物も、夜空に輝く星も、森羅万象、すべてが変化していく。
 人生も同じである。学生部の諸君もいつまでも学生ではいられない。(笑い)だれ人たりとも、仕事も、社会的立場も、生活も、すべての面で変化はまぬかれえない。また私どもの組織にあっても同じ道理である。いつまでも同じ役職についていることはありえない。変化はすべて、人生の本然の姿なのである。
 そこで大切なことは、そのすべての変化をより良き方向へと向けゆく、自身の強き信心の「一念」をもつかどうか、である。
5  心地観経に「過去の因を知らんと欲せば其の現在の果を見よ未来の果を知らんと欲せば其の現在の因を見よ」とあるように、仏法では厳しい生命の因果律を説いている。
 したがって、力強き未来を築く根本の因である信心の一念を濁らせたり、弱めてはならない。信心を忘れた弱き一念では、結局、悪と不幸と苦しみの輪廻をくり返すだけである。
 たとえば役職が変わり、自分の後輩たちがリーダーとして活躍するようになった場合、一時的であれ寂しさを感じたり、なんとなく張り合いをなくすことがあるかもしれない。しかし、信心だけは、一歩も後退させてはならない。それでは自分も後輩も不幸である。反対に、自身もまた一歩、信心の境涯を開き、後輩も大きく育っていく好機であるという一念があれば、自身も成長できるし、地域の広布も前進するのである。
 要は、いかなることがあろうとも、妙法の軌道をはずれぬ強き信心の一念を貫いていくことである。この見えざる奥底の「一念」の姿勢いかんにこそ、永遠にわたる幸、不幸を決定していく分岐点があることを知ってほしい。
6  大聖人の御在世当時、千日尼が夫の阿仏房を佐渡から身延まで通わした真心を、大聖人は深く称讃されている。老齢でありながら、身延まで三度も訪れた阿仏房の求道心もさることながら、その陰にあって、夫を送り出し佐渡で待っている千日尼の純粋なる信心の一念を、大聖人はめでられているのである。ここに生命の一念の姿勢をなにより重視する、仏法の人間観の一端を拝することができよう。
 日夜、自行化他に励む皆さま方は、末法万年尽未来際への広布の先駆者である。ゆえに無理解な批判や侮辱を受けることがあるかもしれない。また三障四魔、三類の強敵が出現することも御聖訓に照らし、とうぜんであるといってよい。いかなることがあっても大切なのは、三大秘法の大御本尊に対する、揺るぎなき、強き信心の一念である。これが正法の根本であるからだ。つまり私どもは、ほんものの地涌の菩薩の眷属なのである。偽の地涌の菩薩はいつかわれわれの世界から消え去っていくにちがいない。
 私どもは御金言のままに生きぬき、戦い、人生を送っていることを最大の誇りとし、この妙法への強き「信」と「行」と「学」とによって、自身の生命を最大限に充実させながら、無限の福運と力をつけていきたい。そして悠々たる人間王者の境涯で、いっさいの逆風をのりこえ、生々世々、いずこにあっても楽しく遊戯していけるための今世の人生の劇でありたいものである。
7  群馬は着実に発展と向上の道を歩んでいる。どうか大きく胸を張って、朗らかに前進し、信心の世界のほんとうのすばらしさを満喫しつつ、崩れざる福徳を積みゆく一日一日を送ってほしい。そして第二期の群馬広布開拓をめざし、盤石なる「人材の王国」の伝統を築いていっていただきたい。
 最後に、第一回「群馬青年平和文化祭」の大成功を祝して、次の歌を贈
 らせていただく。
  人材の 王国築けと 文化祭
    若き将たる 君らの瞳に
  
  新しき 世紀の群馬の 広宣は
    遂に拓けり 五千の乱舞で

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