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新時代第25回本部幹部会 広布第2幕第13回全国青年部幹部会

2009.1.18 スピーチ(聖教新聞2009年下)

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22  強き祈りが根本
 また『源氏物語』の中には、「その道その道」に師匠がいるとの言葉がある(同)。
 人生の道においても、良き師匠に付き、真剣に努力を重ねていけば、必ず大きな前進を遂げることができる。
 さらに紫式部は綴っている。
 「世の中には権勢をかさに着て、人の迷惑になることなどもしぜんとありがちのものである」(同)
 「自分の身分がいいからというので、思う存分たかぶったことをして、他の人を苦しめたりする人もある」(今泉忠義『源氏物語 全現代語訳』講談社学術文庫)
 地位を得ると傲り高ぶる。人々を見下す。いつの世にも、こうした人間はいるものだ。
 また紫式部は「法師というものは聖僧といっても、道理にはずれた異常な嫉妬心が深くて、いやらしいもの」との言葉を記している(阿部秋生・秋山虔・今井源衛校注・訳『源氏物語』小学館)。
 『源氏物語』には、嫉妬や欲望による執着のゆえか、死後も浮かばれない坊主らの姿が描かれている。
 現代にも、腐敗・堕落した極悪僧がいる。
 幸福への道を閉ざす、広布破壊の坊主、そして不知恩の輩とは断じて戦っていく。徹して破折する。それが真実の仏法者だ。その根本は、真剣な祈りである。
 特に婦人部の皆様が、ひたぶるな唱題を続けてくださっていることを、私はよく存じ上げているつもりである。
 さらに、紫式部が綴った一節を紹介したい。
 「心の持ちよう次第で、人はどうにでもなるものです。心の広い器量の大きな人には、幸いもそれに従って多くなるのです」(同)
 深い味わいのある言葉だ。
 御書には「さいわいは心よりいでて我をかざる」と仰せである。
 どんな苦難にあっても、「負けない心」「強い心」があれば、必ず壁を破っていくことができる。
 たくましき楽観主義の人生に敗北はない。必ず最後の勝利をつかむことができる。信心は、その最高無上の原動力なのである。
23  悪は結託する 鋭く見破れ!
 古代中国の兵法書は教えている。
 「悪人を一人でも甘やかせば、即座に多くの悪人が結託して悪事を企むようになる」(眞鍋異夫訳『三略』中公文庫)
 悪人は、ずるい。悪は悪を呼ぶ。その悪を見て見ぬふりをする人間も、ずるい。
 悪に対して、黙っていてはいけない。戦わなければならない。
 民衆を利用し、愚弄し、苦しめて、名利を貪るのは、悪である。
 正義の人、功労ある人を、デマで中傷するのは、悪である。
 師匠を裏切り、同志を裏切り、信念を裏切るのは、悪である。
 悪は断じて許さない!――その強き祈りで立ち上がるのだ。
 ロシアの文豪トルストイは、弱肉強食の野獣のごとき社会を変えねばならないと憂えていた。そのために精神の変革を訴えた。
 「人間の悪は人間によって滅ぼされるものであり、そのことにのみ人間に課された課題があり、人生の意義があるのです」(原久一郎訳『トルストイ全集22』岩波書店)と。
 たとえ偉そうな格好をしても、悪の本性は醜い。陰湿で、欲深く、利他の行動もない。だまされてはいけない。
 悪を悪と見極めなければならない。
 中国の兵法書『尉繚子うつりょうし』には、「賞罰を明らかにするのは、悪を根絶するためである」(守屋洋・守屋淳著『司馬法・尉繚子・李衛公問対』プレジデント社)とあった。
 一人の悪人が野放しにされれば、千人の善人が損をする。悪は叩き出すのだ。断固として打ち破るのだ。
 師弟という原点に立ち、皆が団結してこそ、広布破壊の悪を根絶することができる。
 不惜身命の信心で進むのだ。正邪の決着は、必ず厳然たる現証となって現れる。
24  希望を手放すな!
 昭和26年1月。
 戸田先生の事業は失敗し、絶体絶命の苦難の冬であった。
 私は日記に綴った。
 「冬来りなば、春遠からじ。極寒の冬なれど、春近しを思えば、胸はときめく。いかなる苦難に遇っても、希望を決して捨ててはならぬ」
 信心強き人に、春がこないわけがない。そう私は心に決めて、創価の春を勝ち開いていった。
 戸田先生は、宿命と戦う関西の同志に、こう語られた。
 「病気や経済苦も、上ったり、下ったりしながら、必ず良くなっていくものだ。信心をとしっかりやり遂げていきなさい」
 人生の旅路には、悩みの谷もある。逆境の山もあるだろう。
 しかし、信心で乗り越えられない試練はない。妙法に生き抜けば、すべてが自身の糧となり、宝となっていく。絶対に勝ち越えていくことができる。
 私がお会いした、アフリカの環境の母・マータイ博士は、力強く語られている。
 「人間は、一人一人が、その人にしかできない変化をもたらすことができる存在である。ゆえに、皆で力を合わせれば、どんなに不可能と思われるようなことも、必ず成し遂げることができる」
 一人一人が尊極の力を秘めている。使命をもっている。皆さん方の前進が、一家を、地域を、社会を、大変革していくのである。
 不況の荒波と戦う方々をはじめ、私は全同志に「断じて勝ちまくれ!」と心からエール(声援)を贈りたい。
25  勝利の富士へ共々に前進!
 では、以上をもって、新年の有意義な、思い出深い幹部会を終了いたします。
 ありがとう!
 どうか元気で、健康第一で、一日一日を努力しながら、勝ちながら、富士の山を登ろう!〈「ハイ」と力強い返事が〉
 広宣流布の山。青年・勝利の山。創立80周年の山。
 すべてが我らの富士の山である。〈ここで名誉会長の導師で、参加者全員が唱題を行う〉
 長時間、本当にご苦労さま!
 創価の法城も、同志の皆さんに喜んでいただけるよう、立派に整備していく。
 女子部をはじめ、青年部の体制も整ってきた。
 ともに戦おう!
 海外の皆さん! 重ねて、遠いところ、大変な中、本当に、よく来てくださった。うれしい、うれしい! どうか、お幸せに!
 そして、平和と文化の「使命の舞」を舞いゆく、花の芸術部の皆さんのご活躍をお祈りします。全同志で応援しよう!
 ありがとう! ありがとう!

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