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創価学園 特別文化講座 詩人ダンテを語る

2008.4.23 スピーチ(聖教新聞2008年下)

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84  ダンテが愛読していた古代ローマの哲学者キケロは、こう語った。
 「困難が大きければ、それだけ誉れも大きい。いかなる場合にも、正義の働きを止めてはならないのである」(高橋宏幸訳「義務について」、『キケロー選集9』所収、岩波書店)
 ダンテは20年の亡命生活のなかで『神曲』を書き続けて、死の少し前に完成させました。
 晩年は、イタリアのラヴェンナの地に、家族を呼び寄せて平穏に暮らし、1321年の9月、このラヴェンナの地で生を終えました。
 ダンテは勝った。堂々と勝ちました。
 正義は勝ったのです。
 ダンテを迫害した者は、歴史に汚名を残し、今なお厳しい断罪を受けています。
 詩聖ダンテの名声は、その苦難の足跡ゆえに、ひときわ大きな光彩を人類史に放っております。
 ダンテの頭上には、生前、彼が願っていた通り、月桂冠が冠せられたという。
 月桂冠は、人類史に輝く偉大なる詩人にのみ贈られる「桂冠詩人」の証しでした。
 そしてまた、月桂冠は、誇り高き「勝者」の象徴です。
 わが学園生は、一人も残らず、人生の勝利者となっていただきたい。
 わが学園生の頭に、一人ももれなく、「幸福と正義と勝利の月桂冠」を贈りゆくことこそ、私と妻の夢であり、祈りです。
85  勇気で立て!
 私は、皆さん方の創立者として、2006年の1月、ダンテの祖国であるイタリア共和国より、「功労勲章グランデ・ウッフィチャーレ章」を拝受しました。
 その折、私は謝辞をダンテの『神曲』の一節で結びました。
 その言葉を、わが愛する学園生、そして大切な大切なわが弟子に贈り、第1回の特別文化講座とさせていただきます。
 「さあ立ち上りたまえ」「どんな戦いの中でも必ず勝つ確固たる勇気をもって」(片山敏彦訳『ロマン・ロラン全集4』所収、みすず書房)
  忘るるな
    偉大な師弟の
      契りかな
  勝ち抜けや
    正義の星と
      学園生
 グラッチェ!(イタリア語で「ありがとうございました!」)

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