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フィリピン国立リサール・システム大学「…  

2006.11.24 スピーチ(聖教新聞2006年下)

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4  人間への侮辱を許すな!
 お二人の気高い英姿を拝見し、私には、貴国の先駆の女性による「教育革命」の歴史が思い起こされてなりません。
 かつて、300年以上の長きにわたる植民地支配によって、貴国の民衆は自由に学ぶことを抑圧されました。
 その中にあって、マロロスの町の若き20人の女性たちは、リサール博士の心をわが心として、「教育を受ける権利」を勇敢に叫び、夜間学校の設立を求めて、決然と行動を起こしたのです。
 正義の行動への反動として、傲慢な権力者からの恫喝や、陰険な聖職者からの妨害が加えられました。
 しかし、信念の女性たちは、決してひるまず忍耐強く運動を続けました。そして、ついに、1889年、念願の学校の設立を実現したのです。
 リサール博士が讃え、励ましたように、この女性たちの教育革命は、何よりもまず、悪を放置する「臆病」と「怠惰」に対する革命でした。
 また、人間への侮辱を許してしまう「卑屈な恐れ」に対する革命でした。さらに、他人の考えに隷属する「無知」に対する革命でした。
 それは、自分の幸福のみを求めるのではなく、他者の幸福のために「行動する」という革命でもあります。
 そして、目覚めた女性たちが「平等」と「尊厳」へ、さらに真実の「信仰」へと、誇りも高く前進しゆく革命だったのです。
 この女性たちの「教育革命」の勝利が、戦う人々の心に、どれほど大きな勇気と希望と確信を贈ったことか。
 それが、やがて、人類史に輝きわたる貴国の民衆革命へと静かに、また深く、連動していったのです。
5  正義の連帯を
 ともあれ、時代は、いやまして新たな「教育革命」を希求しております。
 リサール博士は叫ばれました。
 「人生には、艱難辛苦が充満している。だからこそ、いかなる逆境にも耐え抜けるように、若き世代の心を鍛えねばならない」
 リサール博士と同じく、金剛不壊の信念に殉じた牧口常三郎先生も叫びました。
 「社会の波乱に打ち勝ち、活路を開拓していける人間を育てたい」
 戸田先生もまた、同じ信念でした。
 うれしいことに、このほど、貴大学と創価大学との交流協定も結ばれました。創価大学にとっては、希望に満ちた世界101校目の交流になります。
 本日より、私も、尊敬する先生方と固く固く連帯を深めながら、平和と正義のため、そして遠大な未来の教育と文化の黄金の実りのために、一段と全力を尽くしゆくことを、ここにお誓いし、御礼のスピーチとさせていただきます。
 貴大学のご発展、貴協会のご隆昌、そして、貴国のご繁栄を、心より、お祈り申し上げます。
 マラミン・サラマッポ!(フィリピン語で「大変にありがとうございました」)

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