Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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創立記念日祝賀協議会  

2006.10.28 スピーチ(聖教新聞2006年下)

前後
20  「大作を見よ!」
 先生は、こうも言われた。
 「『和』の集いが大切である。この和の集いの中から、さあ、今月も、御本尊へのご奉公をしようという意欲が湧いてくる」
 大切なのは団結だ。広宣流布へと心を合わせ、異体同心で進んでいく。そこに偉大な前進がある。
 尊き仏子の集まりである学会の会合は、法華経の会座そのものである。
 一回一回、真剣に、来られた方が、本当に良かったという会合にしていかなければいけない。そのために、リーダーは最大に心を砕いていくべきだ。
 また、戸田先生は、弟子の姿勢について、こう訴えておられた。
 「師匠の話を全身で受け止め、信仰の上でも、生活の上でも、信・行・学を実践していくべきである」
 「牧口先生の話を話として聞いては駄目で、耳でなく、また頭でもなく、体で聞くという態度でなければなりませぬ」
 私もまた、戸田先生が言われる一言一句を全身で受けとめ、そのまま実践してきた。すべてを実現した。
 先生は、周りの幹部に言われていた。
 「大作を見よ!」
 「大作は一を聞いて百を知る。お前たちは何十ぺん聞いてもわからない。格段の差だ」
 先生が、どれほど私を大事にしてくださったか。私は体が弱く、医者からも30歳までしか生きられないと言われた。
 先生は、「大作さえ健康でいてくれたら!」と何度も言っておられた。
 ある時は、私の妻の実家を訪れて、“大作には本当に苦労ばかりかけてしまった。大作がいなければ、学会の将来は真っ暗だ”と大泣きして語られた。
 こういう師弟だった。師弟不二だった。どんなことがあっても、大作を丈夫にして、第三代の会長にしたい――これが先生の思いだった。
 昭和32年(1957年)の大阪事件で、私が大阪へ向かう途中、羽田空港で先生は言われた。
 「もしも、お前が死ぬようなことになったら、私もすぐに駆けつけて、お前の上にうつぶして一緒に死ぬからな」
 本当にありがたい師匠であった。
 創価の三代の師弟ありてこそ、学会はここまで世界的になった。あらゆる迫害をはねのけて、未曾有の大発展を遂げたのである。
 この一点を断じて忘れてはならない。未来のために、強く訴えておきたい。
21  戸田先生の大確信は本当にすごかった。
 先生は叫ばれた。
 「民衆の万年の幸福を確立することが、創価学会の使命である」
 「民衆救済の大責務は、創価学会の肩にかかっている」
 「“闘争人”というのは、民衆を不幸にする邪悪を絶対に打ち砕いてみせるという、赤々とした闘魂、情熱を燃え上がらせている人です。胸に炎をもつことです」
 そしてこう言われた。
 「現代の広宣流布は、不幸な民衆一人ひとりを救っていく活動である。辛抱づよく一対一で、日蓮大聖人の真の仏法を説き、納得させて、一人が一人を救っていく以外に方法はない。これが創価学会の使命とする実践活動だ」
 どこまでいっても、広宣流布の根本は「一対一の対話」である。
 一人一人の苦悩に耳を傾け、絶対的幸福への道を教えていくことだ。
 また、婦人部をはじめ、そうした実践をしておられる方々が最高に尊貴なのである。
22  世界で初めてエベレストの登頂を成し遂げた、ニュージーランドの登山家エドモンド・ヒラリー氏。
 氏はかつて私に、著書を贈ってくださった。
 自伝の最後に、氏は、こう述べておられる。
 「私はまだこれからなすべき仕事があることを何よりも感謝している」(吉沢一郎訳『ヒラリー自伝』草思社)
 一つの山を制覇したら、新たな山の踏破を!
 前進し、戦い続けるなかに人間としての成長がある。人生の醍醐味がある。
 世界に平和と幸福の大道を広げゆく広宣流布は、人間として最極の聖業である。生ある限り、その聖業のために走り抜いてまいりたい。
 ブラジルの大作家ギマランエス・ローザは綴った。「指揮するということは、冷静を保って、より勇敢になることなのである」(中川敏訳「大いなる奥地」、『筑摩世界文学大系83』所収、筑摩書房)
 リーダーは、だれよりも勇敢であれ! 私はこう強く訴えたい。
 「声仏事を為す」(御書708㌻)である。
 リーダーは正義を叫び抜くことだ。学会を破壊しようとする敵に対しては、断固たる破折の鉄槌を加えていくことだ。
 大聖人は、民衆を不幸に陥れる誤った思想を徹底して破折された。牧口先生もそうだった。
 叫んだ分だけ、善は拡大していくのである。
 結びに、戸田先生の言葉を紹介し、私の記念のスピーチとしたい。
 「いま、私には、前進があるだけだ。
 闘争があるだけだ。そして勝利があるだけだ。
 前へ前へ向かって!」
 まっすぐに、伸び伸びと、攻撃精神を発揮して、明るく、足音高く、前へ進んでいく。これが学会精神だ。
 「創立の月」から、ともに、新たな戦いを開始しよう! きょうは、本当にありがとう!

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