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タイ国立メージョー大学名誉博士号授与式…  

2006.7.3 スピーチ(聖教新聞2006年下)

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7  恩を返さぬ者は最も卑しい
 きょうはアメリカから、著名なエマソン協会のワイダー会長も出席してくださいました。
 信念の哲学者エマソンは、痛烈に叫びました。
 「最も多くの恩恵を施す人は偉大である。多くの恩を受けつつ、その一つをも返さぬ人はいやしむべきもの──宇宙に於ける唯一のいやしむべきものである」(志賀勝訳『エマソンの言葉』西村霞店)と。
 恩を知らない。恩を忘れる。名声や権力を得た人間の多くが、傲慢という毒に蝕まれてしまう。
 エマソンによれば、忘恩は、宇宙における最も卑劣な悪行なのです。
 ともあれ、恩を忘れることなく、正義の哲学を貫き通すことこそ、正しき生命の軌道です。
 ワイダー会長も、偉大な探究と行動に邁進されて、亡き母上への報恩を果たされています。
 エマソンは“傲慢な者に戦い勝つ、鋼鉄の心を持った正義の人物よ、出でよ!”と、強く待ち望んでやみませんでした。〈1844年2月、ボストンでの講演「若きアメリカ人」〉
 傲慢な者と戦ってこそ本当の指導者です。
8  「7・3」の誉れ
 私の師である戸田城聖先生は、貴国をはじめアジア諸国を苦しめ抜いた日本の軍国主義と戦い、2年間、投獄されました。
 きょう7月3日は、恩師が出獄した記念の日であります。
 この意義深き日に拝受した栄誉を、私は、わが「人生の大学」そのものである戸田先生に、謹んで捧げさせていただきたいのであります。
 思想家でもあった、先ほどのルワン・ウィチット・ワータカーンの言葉に、こうあります。
 「人間が、他の動物よりも高い状態にいることができるのは、ただ一つの理由だけである。それは、人生の苦難と戦うことである。勇気を持って、試練に立ち向かうことである」と。
 善のため、正義のために、あえて苦難と戦う人間こそ尊い。
 私もまた、きょうよりは、貴大学の名誉ある一員として、わが愛する創大生たちとともに、いよいよ縦横無尽に行動し、「正義の勝利の讃歌」を高らかに謳い残しゆく決心です。
 貴大学の花は、インタニンという名花だと、お聞きしました。〈百日紅(さるすべり)の一種〉
 この、まことに尊貴にして強靱なる花のごとく、貴大学が、ますます鮮やかに、爛漫と、人材の花また花を咲かせゆかれることを、心の底からお祈り申し上げ、私の御礼のスピーチとさせていただきます。まことに、ありがとらございました。

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