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華東師範大学名誉教授称号授与式 創価後継者大会(創価教育同窓の集い)

2006.5.5 スピーチ(聖教新聞2006年下)

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13  先日、アメリカの経済学の巨人・ガルブレイス博士(ハーバード大学名誉教授)が97歳で逝去されました。
 博士とは何度も語り合いました。ボストン近郊のご自宅に招いていただいたことも懐かしい。
 博士とは、永遠に残る思い出をつくりました。
 〈博士は1993年9月24日、名誉会長のハーバード大学での2度目の講演の折、講評を務めた。博士の自宅での語らいはその翌日。二人は対談集『人間主義の大世紀を』(潮出版社)を発刊〉
 博士は、創価学会に深い理解を示され、創価教育に絶大なる信頼を寄せてくださっていました。
 あの鋭い博士が、私にこう言われたのです。
 「『アメリカ創価大学は、他の国やアメリカにとって模範になるかもしれない』という希望を抱きました」
 「アメリカ創価大学の開設には、私自身、もっと深くかかわりたかったと思います。それができなかったことが、唯一、残念です。高齢になると、やはり限界がありますので」(前掲『人間主義の大世紀を』、以下同じ)
 さらに、私と博士は、大学教育を受けた人間の使命を論じ合いました。
 博士は強く語られた。
 「最も尊敬に値する知識人とは、『大衆の幸福に最大の関心を抱く人々』だと思います。
 知識人が大衆から切り離されているような社会は、願い下げです」
 貧しくとも、名誉や肩書はなくとも、固い信仰、信念をもって、社会に尽くしている無名の庶民――そうした人々を少しでもばかにし、侮る心があれば、それは堕落以外の何ものでもない。真の知性ではありません。
 大衆を犠牲にし、裏切る人生は暗い。
 大衆のため、一生涯、戦い抜いた人生こそ、明るい明るい勝利です。
14  悲観より行動!
 ガルブレイス博士は、「世界は多くの深刻な問題を抱えていますが、もし人が悲観論に陥れば、行動が伴わないでしょう。もし楽観的であれば、おのずと道は開けてくるものです」と見抜いておられました。
 楽観主義で進め。悲観する余裕があったら、行動せよ――鋭い人生哲学です。そして、信仰の極意も、ここにあるのです。
 ともあれ、わが誉れの卒業生たちよ!
 永遠に創価大学とともに、創価学園とともに、全人類が願望する平和と正義の道を、人間にとって最も大切な使命と充実の大道を、きょうも、そしてまた明日も、愉快に、たくましく、希望に燃えて、断じて勝ち進んでいただきたい! 頼むよ!(「ハイ」と元気な返事が)
15  正しい人こそ宝
 いにしえの中国の大思想家・荀子は論じました。
 “正しいことを語り、正しいことを行う人こそ、国の宝である”と。
 まさに毎日毎日、正義のために学会活動をしている未来部の皆さんのお母さん、お父さん方こそ、本当の「国の宝」なのです。
 皆さんは、この無名にして偉大なる父母を大事に、親孝行をしていただきたい。
 親孝行は、お金がなくてもできます。優しい言葉があればいいのです。
 「声仏事を為す」です。
 きょう帰ったら、「肩を揉むよ」とか、「きょうは中国からお客さまが来られた。いつか必ず万里の長城に連れて行くよ」とか、何でもいいから、ご両親が喜ぶ言葉をかけてあげてもらいたい。
 言葉だけでも、ご両親は、しみじみとうれしいものです。
 これが、私の心からのお願いです。
16  結びに、貴・華東師範大学に歴史を刻まれた大教育者・陶行知とう・こうち先生の言葉を贈ります。
 「例えば、地球の運行は永遠に前に進んでいる」「私たちはただ前へ向かって創造の道を切り拓くことができるのみで、いかなる後退もあり得ない」「黄金時代は前方に、未来にあるのだ」(牧野篤著『中国近代教育の思想的展開と特質』日本図書センターから)
 常に現在から未来へ。常にきょうから明日へ。
 これこそ、人生の歩み方の真髄です。仏法も、それを教えています。皆さんの黄金時代は、未来にあります!
 わが敬愛する華東師範大学の限りなき栄光と永遠のご発展を、皆で心からお祈りしましょう。
 さらに私は叫びたい。
 わが愛する創価同窓の友よ、一人ももれなく、断じて勝ち抜け!
 勝利は明るい。楽しい。敗北は暗い。悲惨だ。
 そして、わが愛する大切な大切な未来部よ、21世紀の世界を舞台にして、思う存分、悔いなく戦い、生き抜け!――こう申し上げ、私の感謝と祝福のスピーチとさせていただきます。
 謝謝(シェシェ)! サンキュー・ソー・マッチ! ありがとうございました。

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