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日蓮大聖人・池田大作

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第21回男子部総会 大願へ久遠の友の連帯強く

1973.2.18 「池田大作講演集」第5巻

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5  人を慈しみ、人に好かれよ
 第四に「人情」についてであります。人情こそ人の人たる資格であります。慈愛も残酷さも、その両極的あらわれであると考えられる。人情は他人のためというより、自分のための人間能力といえる、と私は思う。
 かのカントは定言的命令と称して「他人を手段とせず、唯目的として扱え」また「唯己の心の格率に従え」といっております。この理が示す目的の体こそ妙法の慈悲であり、また、己心の格率の体とは、無作本有虚空不動の大戒以外に究極はないのであります。いっさいの温かい人間性と包容力は、ここからしか生じないのであります。
 人情とは決して柔弱なものではない。私は皆さんに対し「人を慈しみ、人に好かれよ」と申し上げたい。これなくして人間の連帯もなにもありません。永遠に戦争も絶滅することはできない。怨嫉、人種差別、エリート意識、搾取、階級、憎悪等々、これらは、どう理論づけようと、結局は人を慈しめないための所産であり、世界平和と平等互恵への敵であり、増上慢とエゴの産物であります。
 相手を慈しめない人が、なんでその人を理解できようか、それは決してできるものではない。相手に好かれずして、その人への指導力や善意が届くものでもありません。この点を、諸君は深く心すべきである、と申し上げておきたいのであります。
6  共通の目的を堅持して前進
 第五に「目標」について申し上げたい。あなたにはあなたの目標がある。私には私の目標がある。それはそれでよい。しかし、あなたと私の共同目標、いや御本仏日蓮大聖人との共同目標がある。そしてまた人類全員との共同目標がある。あとの二つは自覚の問題であり、強制されて納得できる問題ではありません。
 この大きな共同目標、それは真の自由意思にもとづいたところの各人個々の自受用身の判断権行使上にのみ輝いているのであります。人間相互の純然たる「規則(ルール)承認の約束事(エンゲージメント)」の自主的実践のうえに実現していく崇高なるものであります。
 ゆえに、目標なくして価値ある人生の展開はありません。目的なき流転から一生仏は実現いたしません。目標を展望せずして、男子の仕事は成り立ちません。あくまでも目標あっての使命である、と心得ていただきたい。
 人生の目的は、自発して建てた目標によってのみ決まるものであります。後輩の養成も大事な目標であります。お互い同士の尊重も大事な目標であります。能動の人間革命、新文明の建設は、更に大事な目標であります。
 親愛なる同士諸君、みんな仲良く共通の広宣流布という大目標を堅持して、いかなる批判にも耐え、開き、午前八時の太陽のごとく、雄々しく進んでまいろうではありませんか。(大拍手)
 最後に青年部の諸君に代わって、ご多忙のところわざわざご出席くださいましたご来賓の皆さまに、心から厚く御礼申し上げ、私の話を終わります。(大拍手)

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