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日蓮大聖人・池田大作

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はじめに  

「美しき獅子の魂」アクシニア・D・ジュロヴァ(池田大作全集第109巻)

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14  池田 お子さんはお二人ですね。
 ジュロヴァ 息子のドブリと娘のカリーナがいます。二人とも、ほかの両親のように勉強などを見てあげることが少なかったと思います。ただ、自立できることを願っていたのは事実です。一九八九年の民主化以降、二人とも勉強しながらよく働きました。息子は、夜中働いて、建築に関心を持ち、よく勉強していました。子どもたちは、現在、人生の入口に立っていて、将来、どのような職業につくかを、真剣に考え始めているところだと思います。
 娘のカリーナは、美術史に関心を持ち、私と同じ人生行路をたどる可能性があるのです。しかし、それが私のアドバイスや示唆によるものであるとは思いたくありません。現在、イタリアに住んでいます。彼女が池田先生の本――アウレリオ・ペッチェイ氏との対談(『二十一世紀への警鐘』。本全集第4巻収録)――の翻訳をカレッジの級友とともに完成させたことは、自分の意志で行動している証拠であると思います。
15  池田 ありがとうございます。翻訳の作業は人が思う以上にたいへんです。カリーナさんには本当に献身的に多大なご尽力をいただき、見事な翻訳をしていただいたと、担当者からうかがっております。深く感謝するしだいです。
 ジュロヴァ 娘も貴重な仕事にたずさわることができ、たいへんに喜んでおります。
 今、息子は結婚しており、子どもたちの将来の職業の方向について予測することはむずかしいことですが、子どもたちは、私たちの時代よりもはるかにダイナミックで複雑な時代に生きていて、選択の権利は彼ら自身にあります。
16  池田 激動の世界を生きていく子どもたちのためにも、人類の未来を開拓しておきたいのです。希望と栄光の「生命の世紀」への道を、ともに照らしだしていきましょう。
 ジュロヴァ まったく同感です。人間の生と死、二十世紀の倫理的危機の問題から、小国の運命の問題などにいたるまで、さまざまな点について語りあいたいと思います。
 池田 この対談が完結するまでには、今後も長期におよぶ時間を要するかもしれませんが、粘り強く、両国の文化と伝統、そして、「価値ある人生とは何か」「最高に悔いなき人生を送るために、何が肝要か」など、大いに語りあいましょう。

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