Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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はじめに  

「21世紀への選択」マジッド・テヘラニアン(池田大作全集第108巻)

前後
12  本書の構成は、それぞれの著者の関心に添ったものである。
 二つの世界文明を背景に、現代的な人間主義と科学技術文明との出合いを経験した両著者はともに、その世界観は伝統的な観点と現代的な観点とを重層的にあわせもっており、それを反映するものである。
 本書の内容は、まず対話の根本的な重要性にふれ、二十一世紀における人類の物理的、文化的生存についての会話から始まる。
 そして、仏教とイスラム文明の世界観や文化の相互的な紹介へと進む。歴史を通じた、仏教とイスラムの出合い、スーフィズム(イスラム神秘主義)の哲学と詩の出現と興隆、現代の世界教会主義や原理主義などがトピックとして続き、文化、発展、正義などを含むさまざまな生活領域における対話の役割が語られる。
 そのうえで、政治的、経済的、文化的な分割と緊張によって引き裂かれた世界に対し、対話はどのような貢献ができるかが語りあわれる。
 私どもはこの八年の歳月の間に交わした対話によって、多くのことを学んだ。一人一人、名前はあげないが、この期間に両者の対話を支えてくださった多くの人々に、心よりの謝意を表したい。
 本書が、グローバリゼーション(地球一体化)の時代において、国際的かつ多様な文化間の理解を進めようとされている方々に役立つことを願っている。さらにそれ以上に皆さまが出会った人々と、とくに外国からの人々と、あなた自身が対話による真理の追究を試みられることを願ってやまない。
13  最後に、私が敬愛する十三世紀のペルシャ詩人ハーフィズの詩を紹介したい。
   対話をしよう
   二つの人生の十字路において
   いま別れたら
   もう二度と会えないかもしれないのだから
       二〇〇〇年七月十九日

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