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日蓮大聖人・池田大作

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人間革命への行動  

「21世紀への警鐘」アウレリオ・ペッチェイ(池田大作全集第4巻)

前後
5  これらの若者たちの仕事や主張も、たしかにそれ自体では、たとえいくぶんかは世界の状況を変えられるにしても、さほど大きく修正することはできないでしょう。しかし、もしうまくいけば、それらは、全世界の住民のためにもう一つの未来が実際に形成できることを示し出せるでしょう。そして、それによって他の人びとが鼓舞され、それらの人びとが彼らの掲げた旗を引き継ぎ、より安全な道、より称賛される最終目標を求めて、今後何年、何十年にもわたってさらに前進することが期待されるのです。こうして、人間革命のためのより多くの種子が蒔かれ、やがてそれらの花々が万朶と咲き誇ることでしょう。
 いかなる運命が人類を待ち受けているのかという昔からの疑問は、依然としてわれわれの理解力を超えた疑問でありつづけ、おそらく解答が出されることはないでしょう。しかしながら、私が述べてきた人間革命は、必要不可欠なものです。なぜなら、あくまでも人間革命のみが、未来を見渡すためのはるかに高度な観察の視点を与えてくれ、何が人類を待ち受けているのかを私たちに啓示してくれるからです。
6  われわれ人類は、その数においても、知恵においても力においても、きわめて成熟してしまい、地球上の居住地のあらゆる空白を満たしてしまいましたが、われわれはいまこそ初めて、長期にわたる全地球的な責務を担い、これからの各世代に、より生きがいのある地球とより統治可能な社会を残さなければなりません。そのことを私たちが理解するのを助けてくれるのは、人間革命以外にはないのです。人間革命のみが、これらすべての成就のために人間が内面から向上し、内奥の精神的・文化的な調和を得なければならないことを覚知させてくれるのです。そして、この人間革命のおかげで、いまのこの世紀末とこの一千年間の終幕は、人類史における最良の時代へ向けての、一つの新たな扉となることができるでしょう。
 注1 この対談が開始される以前(初めての出会いは一九七五年五月)、ペッチェイ博士は、“人間性革命”(humanistic revolution)の用語をもちいていたが、その後、“人間革命”(human revolution)という表現に変えている。
 注2 『人類の使命』(前出)。
 注3 同右。
 注4 同右を参照。

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