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日蓮大聖人・池田大作

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「聖教」創刊57周年に贈る 正義の獅子吼こそ言論城の魂

2008.4.20 随筆 人間世紀の光5(池田大作全集第139巻)

前後
8  トルストイは叫んだ。
 「もし非難と共に、非難の根拠となるべきものを示さない場合には、批判は全然無益であり、しばしば有害であり得る」(「国民教育に就いて」八杉貞利訳、『トルストイ全集』20所収、岩波書店)
 根拠なき悪意の中傷が横行する「言論の狂い」は、最も有害な人間社会の狂いの元凶である。
 今月の十二日、青年たちと共にお迎えした、モンゴル文化詩歌アカデミーのメンドオーヨ総裁も、厳しく誠めておられた。
 「言葉を発することは重大な責任なのです」
 「悪の言葉を発した人は、地獄の使者の姿をして、自然や社会の破壊を起こします。
 彼らは、いずれ悪の行為に対する罰を受けるだけでない。その子孫にまで悪い影響を及ぼすのです」
 そして、総裁は結論しておられた。
 「破壊する悪の言葉を、正しい言葉の明るいエネルギーで打ち消すことができます。
 善の言葉を広げる以外に、悪の言葉と戦う方法はありません」
 この「善の言葉」を広げゆく創価の青年の言論運動に、総裁は絶大なる期待を寄せてくださっているのだ。
9  百年前の一九〇八年、八十歳を迎えるトルストイは、弾圧された革命家たちへの死刑に反対し、論文「黙ってはいられない」を発表した。
 それは、ロシア国内の新聞はもとより、世界中で──例えばドイツでは二百紙もの新聞に掲載されたという。
 「黙ってはいられない」──これこそ、正義の声をあげゆく言論人の闘魂である。
 私はトルストイとちょうど百歳違いになる。
 大文豪が私と同年代で「黙ってはいられない」と叫んだのと同じく、後世永遠のために、私も厳然と、創価の正義を叫び残しておきたい。
 聖教新聞に連載している小説『新・人間革命』も、このほど単行本の第十八巻が発刊の運びとなった。
 第一章である「師子吼」の章では、昭和四十八年前後、聖教新聞の弟子たちを、師弟不二の第一級の言論人に育成しようと、全力で取り組んだ日々を、詳細に綴っている。
 トルストイは言った。
 「およそ迷妄は、ただ一定の期間続くだけであるが、真理はいかに攻撃され、人々から隠され、詭計や詭弁や遁辞や、その他あらゆる虚偽に取り囲まれていても、あくまで真理である」(『文読む月日』下、北御門二郎訳、筑摩書房)
 我らは、揺るぎない真理の上に立っているのだ。
 何を恐れようか。真実を叫び抜くのに、なんの遠慮がいろうか。
 私も一生涯、声も惜しまず叫び続ける。
 「わが師匠は、偉大な戸田先生なり!」と、恩師の正義を、創価の誇りを、全世界に堂々と師子吼しきっていく。
 それが、青春時代に誓った私の今世の人生だ。
 弟子よ、続け!
 弟子よ、叫べ!
 弟子よ、勝ちゆけ!
 トルストイの如く!
 正義の師子王の如く!
  言論の
    無限の力を
      書き綴り
    現当二世の
      勝者のペン持て

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