Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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青年に贈る言葉 「未来」は一切青年のものだ!

2006.3.16 随筆 人間世紀の光3(池田大作全集第137巻)

前後
6  思えば、偉大なトルストイにも、その魂を食いものにしようとする寄生虫のような存在がいた。
 さも弟子の如く振る舞いながら豹変して、トルストイの誹謗に加担した卑怯者もいた。師なきあと、裏切り去る恩知らずもいた。
 忘恩の輩が渦巻くなかで、トルストイの娘のアレクサンドラが父の思想を護り抜き、毅然と「師弟の道」を示し切っていったことは、ご存じの通りである。
 わが学会でいえば、女子部である。
 トルストイが、この愛娘に贈った言葉に、こうある。
 「真の幸福とは何か。それは、精神的に成長することにある――と自覚していれば、誰人も、あなたの幸福を奪うことはできません」
 このトルストイ父娘の足跡を、私は、親友であるゴルバチョフ元ソ連大統領と令嬢のイリーナさんとも、感慨深く振り返ったことがある。
 元大統領とは、上下二冊にわたる対談集を発刊したが、まだ語り足りない。もっともっと語り合おうと、対話を継続している。
7  プーシキンは、新しい一年を展望して言った。
 「希望を持ちましょう、――希望を持つことはつねによいことなのです」(『書簡』池田健太郎訳、『プーシキン全集』6所収、河出書房新社)
 信心は、無限の希望である。
 あの「3・16」で戸田先生から渡された広宣流布の使命の宝剣を、希望に燃えて受け継ぐのは、青年部である。
 「私は一生を通じて、どこででも、なにごとにおいても、限界を乗り越えた」
 これは、ドストエフスキーの魂の闘争を伝える、誇り高き言葉である。
 私は、この言葉を、後継の青年部に託したい。
 「信心は、行き詰まりとの永遠の闘争である。
 仏と魔との闘争が信心だ。それが″仏法は勝負″ということである」
 この戸田先生の指導の通り、君たち自身が「我は勝ちたり! 勝ちに勝ちたり!」と言い切れる、栄光の青春の劇を残していっていただきたい。
 青年よ、わが生命であり、わが宝である青年よ!
 強く生き抜くのだ!
 朗らかに勝ち抜くのだ!
 偉大なる哲人の如く!
 トルストイは言った。
 「真の賢者はつねに喜々としている」(小沼文彦編訳『ことばの日めくり』女子パウロ会)

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