Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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野に咲く花のように  

2005.3.5 随筆 人間世紀の光2(池田大作全集第136巻)

前後
7  それは、創価学会が、いまだ小さく、わが師・戸田先生の事業も行き詰まり、お金もない、人もいない、全く、どん底の時のことである。ふと、先生が、側にあった一輪の花を取り、私の胸にさしてくださった。まるで″勲章″のように――。私がただ一人、死に物狂いで、師に仕え、戦い、お護りしている日々であった。先生は言われた。
 「苦労をかけて申し訳ない。大作は、本当によくやってくれているな」
 この″花の勲章″を見て、笑っている人もいた。だが私は、これは、「広宣流布の師匠」がくださった「広宣流布の勲章」だ、これ以上の栄誉はないと思った。
 貧しきアパートに帰ると、私は、その一輪の花を御宝前に供え、感謝の祈りを捧げた。
 現在も、私は胸中に、恩師の″花の勲章″を着け、あの時と同じ青年の心で、戦い続けている。その″花の勲章″は今、世界各国からの二十三の光り輝く勲章に変わっていった。
 仏法では、「師匠は大地であり、弟子は草木である」(御書九〇〇ページ、趣意)と説かれる。
 さらにまた――「弟子が咲かせた勝利の花は、必ず大地に還り、師匠の福徳となる。そして、その師弟の大地から、また新たな勝利の花が咲き香る」という「報恩の道」を教えられている。その通りの人生を歩んできたことが、私と妻の誉れである。
 私ども夫婦の切なる願い。それは、″あまりにも健気な創価の女性の皆様方の頭に、いかなる宝冠の輝きも及ばぬ「幸福博士の花の冠」を被せて差し上げたい。さらにまた、「絶対勝利の花の冠」を、そして「常楽我浄の花の冠」を贈りたい″という一点である。
8  ″野の花″の歌に始まった朝の語らい――。
 「今日もまた、新しい戦いですね」
 「そうだ! 一番、大切な庶民の幸福と勝利のために!」
 妻の顔に、にっこり微笑みの花が咲いた。
  野の花も
    春だ春だと
      立ち上がる

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