Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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新世紀の光・埼玉  

2004.3.3 随筆 人間世紀の光1(池田大作全集第135巻)

前後
4  一九五一年(昭和二十六年)、第二代会長に就任し、七十五万世帯の大折伏を誓願された戸田先生は、日蓮仏法の大生命哲学を掲げて、大思想戦、大言論戦の火蓋を切られた。
 埼玉は、その崇高な正義の戦闘にあって、決して忘れることのできない、私の青春の大舞台であった。
 私は、先生の名代として、末法の経典である「御書」の講義に、川越まで幾たびとなく通い詰めたのであった。
 講義を終え、再び電車に揺られて帰る時には、街明かりを見ながら、埼玉の天地に生き抜く同志に、「団結せよ!」「断じて戦え!」「断じて勝て!」と、心で題目を送り続けていった。
 御書を繙けば、邪悪との激戦のなかで、「志のある人たちは寄り合って」「皆が同じ心で」等々と、弟子を励ましておられる。そこには上も下もない。皆が大聖人門下として、心を一つに戦えとの、深き御指導であられた。
 御書には「一は万が母」とある。
 広布の拡大は、常に「一人への励まし」から始まる。
 そして団結もまた、「一人への励まし」が原点だ。
 一人また一人が師子となって、真剣に立ち上がり、偉大なる目標へ、一日また一日を勝って勝って勝ちまくるなかで、互いの生命の麗しき勇気と正義の絆が強く結ばれていくものだ。そこにこそ、「鉄桶の団結」の埼玉が生まれてきたことを忘れまい。
 アメリカ公民権運動の指導者キング博士は言った。
 「われわれは、相互の信頼、清廉、闘争性などが浸透している組織が必要なのだ。この精神がなくては、われわれは数だけはたくさんもつかもしれないが、結局はゼロということになってしまうのである。われわれは、信頼ができて、実力をもち、機敏でもある組織を必要としている」(『黒人の進む道』猿谷要訳、サイマル出版会)
 全く、その通りだ。
 「異体同心」の正義の組織こそ、正しい法則であり、勝利の法則であるのだ。
 ともあれ、「わが町の広宣流布は、私の責任で絶対に成就してみせる!」との烈々たる闘魂の勇者たちは、皆、あまりにも偉大にして、光り輝く幸福な人生を飾っている。その一家の生き生きとした勝利の人生は、皆がうらやむほどである。
5  「人間は活動せねばならぬ」「生命を啓いていよよ晴れやかに育成してゆかねばならぬ」(『悲劇 エムペードクレス』谷友幸訳、岩波文庫)とは、あのドイツの詩人ヘルダーリンの歌であった。
 弥生三月。いよいよ新しい生命が生まれる三月だ。
 成長するものは、生命力があるからだ。その生命力は、人生の勝利を重ねていくところに築き上げられているものだ。
 アメリカの哲学者デューイは言った。
 「人間には、正義、親切、秩序に向って、自分を駆り立てて行く力がある。若し、その力が行動に移されるならば……この世に存在する無秩序、無慈悲、圧制が減少することは、確かである」(『誰でもの信仰』岸本英夫訳、春秋社)
 愛する偉大なる埼玉の友よ! 萌え立つ春が来た。苦楽を超越して、常楽我浄の汝自身を、勢いよく創り上げる大埼玉に、春が来たのだ!
 埼玉は、一人ももれなく、晴れ晴れと、はつらつと、いよいよ強く、朗らかに、また朗らかに、決然と、前進と勝利を勝ち取ってくれ給え!
 埼玉の完勝の劇は、いよいよ開幕だ。

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