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日蓮大聖人・池田大作

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第14巻  

小説「新・人間革命」あらすじ

前後
3  【烈風】
  間断なき伸一の戦いは過酷を極め、体力も限界に達していた。
  師走。この年、7度目の関西訪問中、伸一は急性肺炎による高熱と咳に襲われる。だが、医師も危ぶむなか、和歌山に入り、病を押して学会歌の指揮をとる。その生命を賭しての激闘は、全同志を鼓舞し、偉大な民衆勝利の歴史を開く。
  当時、学会は荒れ狂う烈風にさらされていた。折から浮上した“言論・出版問題”に事寄せ、ついには、国会まで巻き込んで学会と公明党への攻撃が沸騰するのである。
  その背景には、大躍進を続ける学会、そして公明党に危機感を抱いた、既成の宗教勢力と政治勢力が結託し、迫害の構図が作られていたのである。
  だが同志は烈風をはね返して、70年(同45年)1月、目標より早く、会員750万世帯を突破する。伸一もまた、体調の悪いなか、同志を励ますために、小説『人間革命』第6巻の執筆を再開する。
  第三代会長就任10周年となる5月3日が近づきつつあった。伸一は、広宣流布の流れが渓流から大河へと変わる今、新たな展望を示そうと決意する。
4  【大河】
 1970年(同45年)5月3日の本部総会で、伸一は、広宣流布とは“流れそれ自体”であり、永遠の闘争であると強調。そして、広宣流布は“妙法の大地に展開する大文化運動”と位置づけた。
 そして、学会の組織形態について、これまでのタテ線——紹介者と新入会者のつながりで構成された組織から、ヨコ線——地域を基盤としたブロック組織へと移行することを提唱。それは、地域のなかに人間の連帯を作り上げるためであった。
 伸一の眼は21世紀に注がれていた。ゆえに、未来の主役となる少年少女の育成に全力を傾けた。その翼の下から、人材グループ「未来会」の若人が力強く羽ばたくことになる。
 同年9月、聖教新聞社の新社屋が落成。伸一は、日々、惰性を打ち破ることが、良い新聞をつくる最大の要件であると指導。1カ月半後の全国通信員大会では、“通信員と配達員こそ新聞の生命線”と訴え、“大河の時代”へ、着々と布石を重ねていったのである。

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