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日蓮大聖人・池田大作

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君よ使命の大空へ 名門校の誇り高き わが創価学園を語る

2003.11.20 随筆 新・人間革命6 (池田大作全集第134巻)

前後
5  私が対談したトインビー博士は、『回想録』の中で、ご出身のパブリックスクールであるウインチェスター校から「生涯の宝」をもらったと綴られていた。
 博士が第一番に挙げられたその「宝」とは、同校の創立者のことであった。
 すなわち、「われわれに教育を与えてくれた創立者たるウィカムのウィリアムに対して、五世紀以上もの隔たりを越えて結んだ父子の関係」を、博士は「生涯の宝」としたのである。(『回想録』1、山口光朔・増田英夫訳、オックスフォード大学出版局、引用・参照)
 この学校は、十四世紀末に創立された最古の名門であった。博士は、十三歳から十八歳まで、ここで受けた教育の大恩を、その創立者に結びつけて感謝されたのだ。五百年以上の歳月を超え、創立者と生徒が結ぶ「父子の絆」──なんと美しい宝であろうか。
 これこそが、不思議な教育の力である。創立者の魂が、はるかな時間を経ても滅びなかった輝く勝利である。
 私は、わが学園の五十年、百年、いな五百年の未来に思いを馳せて、胸が躍るのだ。
6  教育は、私の最後の事業である。その誉れの原点こそ、わが創価学園だ。
 ピラミッドが頂上から造れないように、原点という土台が堅固であってこそ、永遠不滅の発展も可能となる。ゆえに、学園建設に、わが生命を燃やし続けるのだ!
 東西の学園には、開校以来、三千人を超す世界の賓客が来校され、皆、口々に学園生を、学園の教育を絶讃してくださっている。
 ”欧州統合の父”クーデンホーフ=カレルギー伯、アルゼンチンの人権運動家エスキベル博士、平和学の創始者ガルトゥング博士、ゴルバチョフ元ソ連大統領……。
 こうした「偉大な人格」との触れ合いが、次の時代を開く、新たな「人格の価値」を創造することは間違いないと、私は信じている。
 学園生と対話した中東イエメンの文部大臣は、「創立者の『哲学』が学園には生きています」等と語られながら、こう賞讃してくださった。
 「(学園の)教育理念は、二百年先を進んでいます」
7  フランス革命の成果として、「教育の平等」を断行したナポレオンは叫んだ。
 ”身分や階級で差別されぬ実力主義の社会をつくることが革命だとすれば、教育は血を流さぬ革命である”と彼は学校もつくった。
 ”わが陣営は青春と熱情の中枢たるべし!”(エミル・ルドイッヒ『ナポレオン』上、中岡宏夫・松室重行訳、鱒書房、参照) と、優秀な青年を、どんどん登用した。
 だから青年たちが「我こそは!」と活気づいた。社会が活性化していった。
 組織も社会も、国家も時代も、すべては人間で決まる。人間教育こそ、最も深くして偉大な革命なのだ。
 栄光の「人間主義の世紀」を迎えるためには、ダイナミックな「人材革命」の大波を起こしていくしかない。
 その大波こそ創価教育だ。わが創価学園から、その大波を起こしたのだ!
 この十一月十八日は、学園の「創立記念日」であった。
 東京校の校歌の一節に、「輝く友の道拓く」とあるように、私は学園生の大道を必死で開いてきた。そして、君たちもまた、後に続く後輩たちの道を開いていることを忘れないでくれ給え!
 さあ、わが学園生よ、忍耐強く、自分らしく羽ばたけ!
 君の人生の最高峰に、「栄光の旗」を打ち立てるのだ!
 その一つの決勝点として、牧口先生と戸田先生の師弟から始まった、「創価教育」の百周年──西暦二〇三〇年を目指そうではないか!
 私の夢こそ君たちだ。
 百周年の輝く朝に、万感の思いも高らかに、「我は断固として勝ちたり!」と胸を張りながら、晴れ晴れと天高く、不死鳥のごとく舞いゆく君たちよ!
 おお、壮大にして、絢欄たる「創価学園生の世紀」の夜明けよ!
 大教育者ぺスタロッチは叫んだ。
 「人間がなし得る最大の勝利とは、自己に対する勝利である」(The Education of Man, translated from German to English by Heinz and Ruth norden, Philosophical Libary, Inc.)

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