Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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燃える「先駆」の魂 大九州よ

2003.10.11 随筆 新・人間革命6 (池田大作全集第134巻)

前後
7  戸田先生は、青年をこよなく愛し、信じ、手ずから薫陶してくださった。
 「『先生』というのは、先に生まれたから、そういうのだ。『後生畏るべし』という言葉がある。君たちは『後生』だから、先生より偉くなれ」
 青年よ、私以上に成長せよ、私を乗り越えて進め――これが師である戸田先生の心であった。それは、あまりに大きな慈愛であり、深い厳愛であった。
 だからこそ戸田先生は、青年に対して厳しかった。
 「君たちは、金が無ければ、電車の一駅や二駅ぐらいは歩け。若いのだ。苦労したまえ」
 「かつて草創の、大事業をなした名門の子弟は、番頭より安い給料で、それも前かけをかけさせて、十五、六歳から小僧に出して働かせたという。そうやって鍛えて、後に重要なポストを与えたものだ」
 安逸を退け、惰性を排し、労苦のなかへ、鍛錬の炎へと勇んで飛び込んでいかなければ、揺るがぬ偉大な人格と境涯は創れない。
 先生は、「人間の本当の値打ちというものは、全部、肩書を外したあとの、裸の人間の真の姿に偉さがなくてはいけない」とも言われた。人生の勝負は、決して人気や知名度や財産などでは決まらない。人間として立派な偉い人を、賢明な大衆は尊敬し待っているのだ。
 「人間は、自分を人に良く見せようとするものだ。誰でもその癖がある。ありのままの姿でいきなさい」これも、青年への指導であった。
 御書にも、「はたらかさず・つくろわず・もとの儘」と仰せである。この無作三身の生命こそが、最も尊く、最も美しく、最も胸を打つのだ。
 見栄や虚栄などをかなぐり捨てた人間ほど、強いものはない。その最強の人間群が躍動しているのが、わが誇り高き九州の大地だ。
8  九州は限りなく強い。
 九州は断じて負けない。
 九州は、永遠に「先駆の九州」である。
 先駆の戦いには、必ず波が起こる。風も吹きつける。
 しかし、我らには、なんの恐れも、逡巡もない。
 波よ、来るなら来い!
 風よ、吹くなら吹け!
 前に進む喜び、前途を切り開く充実! それらの財宝はみな、雄々しき先駆者の人生を決めた我らのものだ!
 さあ、さらに決然と進め!
 広布の新たな最高峰を登れ! 必ず勝者となれ!
 わが大九州から、新しき、大いなる希望と勝利と栄光の歌声を、轟かせていってくれ給え!
 人間と人間が、庶民と庶民が、そして民衆と民衆が、共に喜びに満ちあふれた大理想郷・九州を断じてつくり上げていってくれ給え!
 私は、再び最敬礼をして、一生涯、そのことを祈り通していくだろう。
 わが大九州よ。大切な、大好きな大九州よ、二十一世紀の洋々たる福運と幸福と勝利の広宣流布へ、偉大な陣列の先駆を心から頼む!

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