Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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旭日の千葉の船出 進もう!

2003.9.27 随筆 新・人間革命6 (池田大作全集第134巻)

前後
3  あの時、私は、一人、水滸会の研修の場を離れ、集われた多数の銚子の同志たちのもとへ足を運んだ。
 数十人の方々が待ってくださっていた。日に焼けた漁師の方も、お子さん連れのご婦人もおられた。
 皆、健気であった。皆、真剣であった。皆、戦う創価の誇りが輝いていた!
 浜辺に寄せる太平洋の波音を聞きながら、この庶民の英雄たちと親しく、また楽しく語り合ったひと時は、生涯、私の胸から離れることはないだろう。今も一幅の名画の如く映し出されるのであった。
 安房の国・千葉に聖誕された大聖人は、御自身のことについて、「民が子」「民の家より出でて」「貧窮下賤の者と生れ」等と、貧しい庶民の出身であることを、誇りも高く宣言された。そして、民衆のなかから、法華弘通の大法戦に立ち上がった崇高な使命と力を、こう断言されたのだ。
 「日蓮賤身なれども教主釈尊の勅宣を頂戴して此の国に来れり、此れを一言もそしらん人人は罪を無間に開き一字一句も供養せん人は無数の仏を供養するにも・すぎたりと見えたり
 この御心を受け継ぐ大聖人の正統こそ創価学会だ。
 「貧乏人と病人の集まり」――学会は、過去、どれだけこうした冷笑を浴びせられ続けたことか。
 しかし、我らは、その悪口罵詈をも笑い飛ばした。
 苦悩の人を救うのが宗教の使命ではないか。最も不幸な人を幸福にしてこそ、力ある宗教ではないか! 学会の代名詞となった悪口さえも、我らは名誉の勲章として、叩かれれば叩かれるほど、いよいよ闘魂を燃やし、民衆の海の真っただなかへ飛び込んでいったのだ。
 この誇りが学会魂だ! 我らは、常に誇り高く戦い、前進また前進してきたのだ。
 戸田先生は言われた。
 「自分が幸福になるぐらいは、なんでもない。簡単なことです。他人まで幸福にしていこうというのが信心の根底です」と。
 その通りである。信心の炎は、自分のことだけで汲々とした小さな境涯を打ち破る。友の勝利が、わが勝利であり、わが勝利が友の勝利である。
 どこそこで、あの友が苦しんでいる。かの地域で仲間が奮闘している。そう聞けば、わが事のように祈る! 自他共の完勝のため、そこへ駆けつけ、共に戦う!
 この熱烈な同志愛があればこそ、あらゆる大難を乗り越え、学会は勝利し、また勝利してきたのだ。
 私は知っている。
 千葉の同志には、借しみなく世界に光を送る、あの赫々たる太陽が燃えている。
 最も戦いが大変な場所に、常に、勇んで駆けつけては、勝利の突破口を開いてこられたのが、千葉の皆様方であったからだ!
 嬉しいことに、旭日の千葉の興隆を祝うかのように、今春には木更津文化会館、夏には佐倉文化会館が相次いでオープンした。千葉、船橋、松戸、市川、柏の「五大都市」も、草創の人材群と新しい人材群が見事に呼吸を合わせ、妙法流布の進撃を開始している。市原、成田、浦安等でも、友の躍進は目覚ましい。
 なんと偉大な千葉よ!
 なんと明るい千葉よ!
 今、まばゆいばかりに、異体を同心として驀進しゆく、わが千葉の八つの総県の姿は、まるで八葉蓮華のごとく光っている。
4  二年前の九月二十三日、アメリカでの「同時多発テロ事件」の直後、私は、千葉の青年たちと平和への断固たる信念を語り合った。
 平和の勇者が集う、東京牧口記念会館で、先駆の千葉青年部総会を開催したのだ。
 創価の青年が立てば、歴史は動く。新しき時代の扉を開く主人公が青年である。
 大聖人は、今の千葉県に在住していた門下に仰せである。
 「妙法蓮華経の五字・末法の始に一閻浮提にひろまらせ給うべき瑞相に日蓮さきがけしたり、わたうども和党共二陣三陣つづきて迦葉・阿難にも勝ぐれ天台・伝教にもこへよかし
 さあ、新たな出発だ!
 風が吹こうが、波が荒れようが、我らは恐れない。
 一人の落伍者もなく、この大海原を渡りきるのだ。
 めざす栄光と勝利の大陸に到達するまで、日ごとに勢いを増しながら、荒波を蹴って走りゆくのだ!

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