Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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わが新生の8月 戦争から平和へ 正義は我らの魂

2003.8.27 随筆 新・人間革命6 (池田大作全集第134巻)

前後
7  私が、生涯の師である戸田城聖先生にお会いしたのは、魂の暗中模索の渦中、敗戦から二年後の、昭和二十二年の八月十四日であった。
 一青年の質問に、権威ぶる態度は微塵もなく、どこまでも誠実に、明快に、答えてくださる先生であった。
 あの最悪の戦時下にあって、軍部政府の弾圧で牢獄に入っても、寸毫も信念を曲げなかった先生であった。そこには、人間として極限の「実像」があった。
 私は決めた。
 我、この師に続かむ。
 我、この道を進まむ。
 それが、私の新生の出発となったのである。
8  ガンジーは断言した。
 「私は全人類と一体化していなかったならば、宗教生活を送れなかったろう。それは、私が政治に立ち入ったから可能になったのである」(前掲『抵抗するな・屈服するな』)
 人間と社会の現実にどこまでも関わり、人間生命そのものを変革し、内なる智慧と慈悲を開発していく以外に、真実の平和はない。
 そのためにも、人間革命の宗教が絶対に必要なのだ。
 戦時中、私が初めて読んだ『レ・ミゼラブル』の中で、文豪ユゴーは叫んでいた。
 「迷信、頑迷、欺瞞、偏見など、それらの悪霊は、悪霊でありながらもなお生命に執着し、その妖気の中に歯と爪とを持っている。それらに対して白兵戦を演じ、戦闘を開き、しかも間断なき戦闘をなさなければならない」(『レ・ミゼラブル』2、豊島与志雄訳、岩波文庫)
 人間の心と社会の暗闇にうごめく忌まわしい邪悪とは、間断なく戦うのだ!
 広々と、人間勝利の平和の世紀を開きゆくために!
 その熾烈な精神闘争に終わりはない。
 だからこそ私は、今日も、必死に「戦うペン」をとり続けるのだ。

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