Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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勝利の大鷲・三重 いざ栄光へ 君も戦え! 我も戦う!

2003.2.28 随筆 新・人間革命5 (池田大作全集第133巻)

前後
4  三重には、もう一つ、歌の思い出がある。
 第一次宗門事件の最中の、一九七八年(昭和五十三年)の四月二十三日、三重の研修道場内の白山公園で開催した、「三重文化合唱祭」のことである。
 演目は進み、やがて婦人部の「青空合唱団」の「今日も元気で」になった。
  あかるい朝の
      陽をあびて
  今日も元気に
   スクラムくんで……
 彼女たちの歌声は、春の空に凛々と響き渡っ。た聴き入る同志も皆、一緒に口ずさんでいた。
 とくに、「うれしい時も かなしい時も かわす言葉は 先生 先生 われらの先生」の個所に至ると、歌声は一段と力強さを増した。
 ──実は、私が三重に到着して間もなく、三重の婦人部のリーダーが思いつめた表情で訴えてきたのである。
 「先生の前で『今日も元気で』を歌わせてください!」
 この歌は、私と共に戦わんとの健気な心意気を歌った、婦人部の愛唱歌である。
 しかし、この当時は、例の反逆者に操られた坊主らが、私と学会の非難中傷に狂奔していた。ことに三重の寺は、全部がそのどす黒い一派であった。暗い狂気じみた時代であった。
 それでも学会は、僧俗和合を願って、合唱祭には坊主も招待していた。このため、坊主を刺激してはまずいと考えてか、この晴れやかな合唱祭では「今日も元気で」の歌をわざわざ歌わせない方向に決まったようだ。
 だが、婦人部は「どうしても歌いたい!」と。婦人部は強い。とうと決めたら、一歩もひかない。
 英国の作家スコットは、作中の女性に語らせている。
 「その目的の正しいことを知り、そして心を強くしておくことが、いちばんこんなんな日の仕事をやりとげる道なのです」(『ミドロジアンの心臓』玉木次郎訳、岩波文庫)
 学会には、学会の行き方がある。時代がどう動こうが、これだけは譲れない。そういう誇りを失ったら、牙を抜かれた師子のようなものだ。
 その学会精神の根幹が、師弟の魂である。師と弟子が、心を一つにして叫び、戦わねばならない。それでこそ真の師子である。
 あの日、あの時の歌声は、師弟共戦の叫びとなり、三重の大空に舞ったのだ!
5  三重県の形は、「翼を広げた鷲」の姿に似ているといわれる。
 四日市・桑名方面が一つの翼、熊野・尾鷲方面がもう一つの翼であり、伊勢・鳥羽方面が頭部にあたる。そして、津・松阪などの中央部が胴体であろうか。
 それぞれの地域が一体となって、栄光・大勝の空へ羽ばたく三重の皆様の英姿と重なって見える。
 戦おう、三重の同志よ!
 空飛ぶ者の王・鷲のごとく、大空に向かって勇壮なる飛朔を共々にしてゆこうではないか!
 最も大切な庶民の真っ只中に飛び込み、偉大にして崇高な「人間革命」の波動を起としゆこうではないか!
 民衆が民衆のための勝利の凱旋曲を、我らの万葉の天地に心ゆくまで響かせてゆこうではないか!

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