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日蓮大聖人・池田大作

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永遠の”平和の天使”鼓笛隊 世界に響け 天の楽 天の舞

2002.12.19 随筆 新・人間革命5 (池田大作全集第133巻)

前後
2  厳しき寒風に吹かれながら
 厳しき寒風に吹かれながら
 若き正義と使命の芸術家は
 楽器を離さず
 凛々しく
 前に前に進んでいく。
3  そして真夏には
 銀の汗を流しながら
 息が止まるほどの
 喝采を受けて
 颯爽と行進しゆく姿は
 一幅の絵と見えた
4  桧舞台の陰で
 いつもいつも疲れ切って
 練習しゆく乙女らの
 舞いゆく姿は 気高くも
 すばらしき自分自身の
 勝利の姿であった。
5  そこには
 傷つきやすき生命をば
 北風の鳴り渡る試練にも
 鍛え上げた青春が光る。
 幸福の魂に傷をつけゆく
 邪魔者は皆 去っていった。
6  遊びたい、休みたい
 しかし
 いかなる選択に迫られても
 乙女らは短期的な視野など
 目もくれず
 わが正しき勝利と
 栄光の道を
 明るい決心で進む。
7  練習が終わり
 満天の星も じっと
 乙女らを見つめながら
 賞賛しているに違いない。
 鼓笛隊の若き芸術家は
 今日も勝ったのだ
 今日も耐えながら
 幸福のためにへの
 革命をしたのだ。
 永遠の友と悔いなく
 勝利を飾ったのだ。
 あの微笑み
 あの清々しい姿こそ
 最高の裕福の使命を
 勝ち取った姿なのだ。
 天の無限の力を
 我々自身が
 勝ち取ったという
 誇りの前進の姿であろう。
8  輝かしき広宣流布の正道を凛々しく進みゆく、大切な、そしてまた大切な、わが娘とも思う、世界第一の平和の天使・鼓笛隊よ。
 二〇〇二年(平成十四年)十一月十七日、「11・18」の創立の日を記念して、創価大学の大講堂で行われた、音楽隊と合同のあの祝賀大演奏会も、それはそれは美事であった。
 華麗にして荘厳な、天の楽、天の舞の、百点満点の祭典であった。
 本当に、おめでとう!
 また、この一年も、全国各地でのすばらしいパレードや演奏会、ありがとう!
 結成から四十六星霜。若き君たちの、未来を見つめる生き生きとした顔と毅然たる行進は、常に創価学会の前途を燦々と照らし続けてきた。
 今も思い出す。あの歴史的な、初の「鼓笛祭」が開催されたのは、一九七一年(昭和四十六年)の五月三日のことであった。
 快晴のその朝、心も胸も躍らせながら、鼓笛隊の乙女たちは、颯爽と、無数の観衆の喝采を浴びながら、東京・銀座の大通りをはじめ、都内三カ所で晴れ晴れとパレードしたのだ。
 さらに、日本武道館を舞台にして、昼夜二回にわたり、歓喜また大歓喜の天の曲、天のリズムを響かせてくれた、あの夢の世界の美しさよ。
 今もって胸に残る、あの万雷の止むことなき拍手に包まれた、鼓笛隊の方々の尊き美しさよ。
 その頃は、広布に進む学会に対する冷笑と、批判の暗雲は、ことのほか激しかった。
 その無数の迫害の嵐のなか、わが鼓笛隊の豪華にして優雅な行進と振る舞いを見つめて、嘲り笑う気持ちの見物者たちも皆、感動の心に変わり、無礼な心を恥じるが如く、惜しみなく拍手を送っていた。
 清純な善良そのものの鼓笛隊の姿に、そして勝ち負けのない真実の心と力に、多くの批判者たちも両手をあげて誉め讃えていた。
 旭日が昇るような明るい鼓笛祭は、まさに新生・創価学会の出発の象徴であった。
9  一九七九年(昭和五十四年)の暮れ、東京・荒川区民会館で行われた第三回鼓笛隊総会も、忘れ得ぬ歴史の一ページだ。
 その春に会長職を辞任して以来、私は、ほとんど学会行事に出席できなかった。私と同志の絆を断ち切らんとの、反逆者と坊主どもの陰険にして狡猾な圧迫が、あまりにも酷かったからである。
 しかし、鼓笛隊の友から、総会への出席を、再三再四にわたって要請された。
 ”何があっても、私たちは正義の道を進みます。邪悪な陰謀などには、断じて負けません!”
 乙女らの純粋な決意が痛いほど伝わってきた。その心に応えるためにも、私は総会に出席させていただいた。
 あまりにも美しく、また明るい、希望に満ちた青春の乱舞であった。どの笑顔も生き生きと光っていた。
 学会の未来は盤石だ。鼓笛のこ女たちが、必ず厳然と、巌の如く立ち上がることを、強く感じたからだ。
 何事であれ、繰り返し繰り返し、修練を重ねたものが一番強い。崩れない。訓練されていれば、いかなる苦難に直面しても微動だにしない。
 何があっても、常に大いなる目標へ、さらに次なる目標へと、力強く前進し続ける。これが「創価の心」だ。この強き金剛の心こそ、鼓笛隊の誉れの伝統だ。
10  鼓笛隊の発足は、一九五六年(昭和三十一年)の七月二十二日。最初は三十三人の編成であった。
 私は、この新しき「平和と文化の旗手」の誕生が、ことのほか嬉しかった。”世界一の鼓笛隊に育て!”との期待を込め、私財を投じてファイブとドラムを贈り、手作りで育んできた。
 ともあれ、「鼓笛隊」と聞くだけで、私の心は弾む。
 私の胸には、いつも、勝利への前進の決意みなぎる、あの軽やかなリズム、そして清らかなメロディーが響きわたり、励ましてくれた。
11  過去の歴史では、鼓笛隊は戦場で軍隊の士気を鼓舞する役割を担ってきた。
 しかし、わが学会の鼓笛隊は、「戦争の世紀」に終止符を打つため、歴史の舞台に颯爽と登場した、尊き「平和の天使」である。
 東西冷戦の激しかった一九八一年(昭和五十六年)、鼓笛隊の代表は、二月にアメリカ、五月にソ連(当時)を訪問した。
 モスクワでは、私と一緒に戦争犠牲者を追悼する「無名戦士の碑」を訪ねた。私たちが献花した時、犠牲者への鎮魂の曲を奏でてくれたのが鼓笛隊の皆様であった。さらに、あのモスクワ大学の広場でも、華麗な調べと演技を披露してくださった。
 深き祈りを胸に、ドラムを打ち鳴らし、ファイアを高らかに吹きながら、平和のマーチを奏でる鼓笛隊の行進!
 それは、法華経の「妙音菩薩」の来往を彷彿させる。
 大宇宙の生命が奏でる力強きリズムが「妙音」である。生命の根源から発する妙なる音律は、人びとの心を蘇生させ、結びつけ、歓喜させる。
 この「妙音」を響かせることができる楽器はただ一つ、わが生命にほかならない。
 中国の古典にも、「楽は徳の華なり」とある。人間の美徳の開花が音楽である。
 ゆえに、自身を磨きに磨き、鍛錬に鍛錬を重ね、貴女しか出せない、生命という楽器の音楽の名演奏家になることだ!
12  平和の太陽たる鼓笛隊は、今や世界に輝いている。
 現在、メンバーは国内だけで二万人。マーチングバンドの全国大会でも、何度も最優秀賞を受賞してきた。
 さらに海外でも、”コテキ”の友は、世界二十六カ国・地域で乱舞する。
 鼓笛隊出身の女性リーダーも、社会のあらゆる分野で活躍している。婦人部の幹部になられた方も数多い。
 先月、来日されたSGIの代表にも、ボリビアの婦人部長、チリの婦人部長など、鼓笛隊出身の友が八人もおられた。
 平和の大道を開き、照らしゆく皆様の使命は、あまりにも尊い。
 太陽の鼓笛隊のリズムが地球を包みゆく時、人類共和の大讃歌が、高らかに響き渡るに違いない。
13  鳴呼 平和のために
 健気な乙女らが
 永遠の平和の武器を
 持ちながら
 爽やかに行進する姿よ!
 そこには
 親しき安堵の魂が光る。
 その姿を目にすれば
 あの忌まわしき
 恐怖の動乱などは
 微塵もない。
 激しく喚く人も
 一人もいない。
 私たちの心の奥にまで
 さらなる希望と夢を
 与えてくれる
14  優雅な鼓笛隊よ
 太陽の鼓笛隊よ
 月の光の鼓笛隊よ
 無邪気な清き鼓笛隊よ
 栄光の鼓笛隊よ
 そして
 勝利の鼓笛隊よ!

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