Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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アメリカ創価大学の使命 真の世界市民たれ 人間主義の君よ

2002.9.30 随筆 新・人間革命5 (池田大作全集第133巻)

前後
5  SUAは、「真の世界市民育成」へ大いなる挑戦を開始した国際大学である。
 学生たちが入学直後に学んだ英文教材に、大哲学者プラトンの主な対話篇を収めた、『偉大なる対話』と題する本がある。それは、己が魂を善くすることをめざした”ソクラテス的対話”に触れる好機となったにちがいない。
 プラトンが創立した学園アカデメイアでは対話方式が最大限に重んじられた。講義はもちろん、食事や散歩の時もプラトンは、師ソクラテスと同じように、青年と語りに語り抜いた。
 学問の師弟、人生の師弟の対話こそ、学園アカデメイアの魂であり、後に学園に九百年間の黄金の歴史をもたらした源流である。
 ソクラテスは、ある白熱した対話の最後に、相手の青年に呼びかけている。
 「されば、君よ、この、ぼくの言うことにしたがって、わが目ざす方へと、ともについて来たまえ」(『ゴルギアス』藤沢令夫訳、『世界の名著』6所収、中央公論社)
 SUAは、最も人間らしく、人間を高みに導く師弟という絆の中で、学問を追究していく大学である。
 あの哲人エマソンも言っている。
 「私たちの最上の経験は何かと問われるならば、私たちは答えよう、叡知にみちた人々との腹蔵のない対話の数々であると」(「随想全集」小泉一郎訳『エマソン選集』3所収、日本教文社)
 わがSUAのキャンパスに咲き薫る、快活にして誠実な「対話」──これこそ偉大な世界市民を輩出しゆく豊かな英才と知性の天地となるだろう。
6  私は、あまりにも使命深き一期生、二期生の皆様と、お会いし、太陽と緑に包まれた憧れのキャンパスで、固い握手を交わす日を夢見ている。
 二十一世紀の俊英の限りない健康と成長を祈り抜いていきたい。
 人間としての成長に、近道はない。
 優秀なる君たちょ、体を大切にしながら、世界の大空に羽ばたく使命を見つめながら、一にも二にも、努力の達人たれ!
 真剣と労苦の道こそ、人間錬磨の大道であり、真の世界市民への新しき歴史を創りゆく直道であるからだ。

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