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日蓮大聖人・池田大作

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創価大学 創立の心 永遠に「学生のための大学」たれ

2002.5.3 随筆 新・人間革命5 (池田大作全集第133巻)

前後
5  翌年(一九七三年)も、私は学生の招きに応じ、夏には寮生主催の第一回滝山祭、秋には第二回創大祭に足を運んだ。
 体育館で行われた創大祭の記念フェスティバルで、私は強く語った。
 「一期生、二期生の諸君は、どうか自分たちがこの大学の創立者であると自覚をし、本気になってもらいたい!」
 開学が早まったことで集い得た、不思議な使命の学生たちである。一人残らず「大学建設の主役」の誇りをもってほしかった。
 「若き創立者たれ!」──これが、後世に脈々と伝えるべき創価大学の精神だ。
 私のスピーチのあと、できたばかりの「学生歌」が発表された。歌が一応の完成をみたのは、この日の明け方近くであったようだ。
 その歌を、即席の合唱団が披露してくれた。
 一、二年生だけで学生数も少ないうえ、展示に模擬店にと、一人が二役も三役も担っていたため、なかなか合唱団員は集まらなかった。国家試験をめざして猛勉強中のメンバーまで駆り出して、やっと結成できたという。
 彼らの力強い歌声を聴いたあと、私は、その場で、直したらもっとよくなると思われる歌調の案を語った。
 「白蝶一色」を「白蝶あそこに」、さらに「青嵐はげしく虚空に吹いて」を「青嵐はげしく天空吹いて」とするなど、数カ所に手を入れた。
 最終的には学生たちに検討を、お願いしたが、彼らは喜んで採用してくれた。
 創価大学の学生歌は、私と”若き創立者”たちの、大学建設に燃える情熱が一つになって完成したのだ。
 今年は、それから三十年という佳節となる。
6  「学生のための大学」は、世界の一流大学の趨勢といえよう。
 私が、これまで対話をしてきた世界の知性も、共通して「学生中心」の視点をもっておられた。
 ロシアのモスクワ大学では、サドーブニチィ総長の指揮のもと、優秀な人材を発掘するために、教員で手分けして国中を走り回り、モスクワ大学への受験をアドバイスしているという。「二十一世紀のロシア」を担い、「世界の平和」を託せる人材を、なんとしても集めるのだという懸命な姿に、私は心打たれた。
 インドのプルバンチャル大学のパタンジャリ副総長は、事前の約束がなくとも、学生には、いつでも副総長室のドアを開けていると言われた。
 「副総長としての時聞は、学生のための時間だと思っています。ほかの何よりも最優先すべきは学生です」
 「教育は学生本位であるべきです」
 全く、その通りだ。
 私も、学生を守り、育てるために命をかけてきた。
 時には、玉の汗を流しながら、また時には、体調を崩していても、学生のなかに飛び込んで対話を重ねてきた。
 学生が成長するのなら倒れても本望だと思った。
 それが、「教育者」の信念であるべきではないか!
 それが、「学生中心」の創価大学における、教職員のあるべき姿ではないか!
 三日聞にわたった、第二回滝山祭では、灼熱の太陽が照りつけるなか、全身汗まみれになって学生たちを激励し続けながら、こう語ったことを覚えている。
 「私は学生の味方です。徹底的に動き、徹底的に激励に走る。この五体が、たとえ動かなくなろうとも、私は学生を守るために働きます」
 これが、今も変わらぬ、そして生涯変わらぬ、創立者の心情である

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