Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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妙法の大城・愛媛 勇気の声を! 正義の拡大を!

2002.4.16 随筆 新・人間革命4 (池田大作全集第132巻)

前後
4  ところで、大洲には、近世日本に大きな思想的影響を及ぼした、韓国出身の一人の学者の足跡が刻まれている。(姜沆『看羊録』〈朴鐘鳴訳注、平凡社〉を参照)
 その名は姜沆カンハン──彼は十六世紀末、豊臣秀吉による朝鮮侵攻の際に捕虜となり、大津(現在の大洲)に送られた。
 大洲にあること半年、姜沆は京都の伏見に移る。そこで儒学者の藤原惺窩の敬重を受けた彼は、まだ日本で学ばれていなかった朱子学の薀蓄を伝えていったのである。
 この藤原惺窩は、徳川家康の招聘には応じなかったが、門下の林羅山が家康に用いられ、幕府は朱子学を手厚く保護することになる。(『日本思想大系』28〈石田一良・金谷治校注、岩波書店〉、太田青丘『藤原惺窩』〈吉川弘文館〉を参照)
 武力侵略の犠牲者として、日本に連れて来られた一人の人物が伝えた学問は、いわば一国を”征服”し、日本中で学ばれ、徳川時代を支える精神的基盤となったのだ。
 まさに、「文化の力」が、武力を凌駕した偉大なる一証明といえまいか。
5  二百年ほど前、「最大多数の最大幸福」との言葉を残した、イギリスの著名な哲学者ベンサム。トルストイも大切にしていた彼の箴言に、こうある。
 「われわれは他人に幸福を分け与えると同時に、それと正比例に、それだけ自分の幸福を増加するのである」(トルストイの『一日一章 人生読本〈1~3月〉』原久一郎訳、社会思想社)
 人びとの幸福と平和のために生き抜く我らには、まったく納得できる道理である。
 この四月は、愛媛をはじめ四国四県の各会館で、頼もしくも、わが青年部が一万人の総会を開催している。
 愛媛に栄えゆく勝利の学会の原点を見る思いがするのは、私一人ではあるまい。
 世界中の友が「四国万歳!」「愛媛万歳!」と歓声をあげることは間違いないだろう。

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