Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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勝利と情熱のスペイン 進め! 創価栄光の大航海へ

2002.3.25 随筆 新・人間革命4 (池田大作全集第132巻)

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4  「非道な行為について黙して語らずにいれば、私もその共犯者になってしまう」(『インディアの破壊についての簡潔な報告』染田秀藤訳、岩波文庫)──これが、スペインの偉大な人道主義者ラス・カサスの信念であった。
 青年たちも、最前線で、日顕宗の邪悪な謀略と戦い、呵責した。師子となって正義を叫び抜き、真剣なる対話をし抜いていった。
 御書も懸命に拝した。御書を学ぶ機会が少なく、同志の教学力の不足が、最大の反省点であったからだ。
 そして、実践のなかで力をつけ、真の「学会精神」を身につけていったのである。
 極悪と戦う彼らに、功徳も顕著であった。
 仕事に恵まれず、質素な身なりで集った青年も、今では一流銀行、旅行会社、運送会社などに職を得て、信頼の実証を勝ち取っている。なかでも、歌手を志望していた青年は、十年前、ウエーターなどのアルバイトで糊口をしのいでいたが、現在はスペインの王立劇場専属のバリトン歌手となっている。
 今、スペイSGIの中核を担っているのも、多くが、あの総会の参加メンバーであったのだ。彼らは、互いに広宣流布の仏子として尊敬し合い、そしてまた、令法久住の英雄として苦楽を共にするなかで、一段と崇高な心の紳も強まっていった。気がつけば、青年を中心として、夢に見ていた堅固な正義の民衆城ができあがっていたのである。
5  正義の勝利が、自他ともの幸福を必ず拡大するものだ。
 この十年で、スペインの創価の陣列は新出発時の十二倍に拡大し、千二百人を超えて史上最大となった。
 首都マドリード、バルセロナ、カナリア諸島、バレンシア、セビリア、マラガなど、あの地との地に、地涌の勇者が躍り出でいる。
 われらは勝った! 正義は勝ったのだ!
 わが友よ、今再び創価の旗を高く掲げ、「人間主義」の対話の大海へ、威風堂々と船出していってくれ給え!
 私は、スペインの哲学者ウナムーノの高貴な言葉を、わが同志に捧げたい。
 これは、七年前、スペインの有名な文化団体「アテネオ文化・学術協会」に寄せた記念講演で、私が紹介した一節でもある。
 「強者は、根源的に強い人は、エゴイストになることができない。充分に力を有している人は、自らの力を他に与えるものなのだ」(「生粋主義をめぐって」佐々木孝訳、『ウナムーノ著作集──スペインの本質』所収、法政大学出版局)
 ゆえに同志よ、強くあれ、永遠に強くあれ! 愛する祖国と民衆の幸福のために!

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