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日蓮大聖人・池田大作

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ドイツの開拓者たち 青年よ 広布の大願に生き抜け!

2000.10.20 随筆 新・人間革命3 (池田大作全集第131巻)

前後
3  共戦の思い出は限りない。
 ある年には、パリを訪問中の私のもとへ、ドイツのパイオニアの青年二人が「若獅子号」と命名したフォルクスワーゲンで勇んで駆け付けてくれた。記録的な寒波で凍結した道を、不眠不休の遠征でもあった。
 「よく来たね! 遠いところ、ご苦労様!」
 私は、見事に険路を越えて来た彼らを、『三国志』の中で、敵の五つの関門をただ一人で突破した関羽将軍の奮闘になぞらえて、ねぎらった。
 ようやく、緊張していた彼らの表情がほころんだ。
 また、先駆者の彼らに続いて、十人の青年勇士が渡独した。その友らに会いたい一心でドイツを訪れた時(一九六五年十月)には、私は愛する青年たちに和歌を贈った。
  霊山の
    誓いも深き
      君ら西
    我ら東と
      白馬も雄々しく
4  御聖訓には、「大願とは法華弘通なり」と仰せである。
 青年たちには、なんの財産も後ろ盾もなかった。あるのは、理想に生き、師との誓いを果たさんとする情熱だけであった。
 見栄も財宝もかなぐり捨て、「死に物狂い」で戦う人間ほど強いものはない。
 石にかじりついても、「ここで必ず勝つ!」という執念と忍耐ほど、まことに強いものはない。
 その激しき戦場に、勇んで突き進んでこそ真の青年だ。
 「広宣流布のパイオニア(開拓者)」――この称号こそ、永遠の魂の栄冠なのである。
 私は、誓いの大道を走り抜いた青年たちの集いを「水滸会」と命名させていただいた。
 彼らは、安楽に、空しい人生を生きることは無益であることを知っていた。
 青春の燃え盛る生命こそが、確実な平和への地平線を広げると断定できる。
 彼らは、広宣流布という、誰人も満足しゆく、落日を知らぬ大偉業を見いだし、その道を突進していったのだ。
5  文豪のゲーテがこよなく愛した「父なるライン」の流れ。
 その中流にあるビンゲン市には、詩情漂うライン川を見つめながら、厳然と、ドイツSGIの「ビラ・ザクセン総合文化センター」の城が立っている。
 この宝城は、由緒ある山荘を修復・保護したもので、「ライン河畔の白鳥」と、多くの市民から愛されている。
 ドイツのパイオニアたちが開いた「広宣流布の大河」は今、絶え間なく、勇ましい飛沫を上げながら、「第三の千年」へと流れている。
 永遠の平和へ!
 民衆の幸福へ!
 人間の勝利へ!
 新たな開拓の夜明けだ。
 「二十一世紀のドイツ」の、威風堂々の前進を、私はひたすらに祈っている。

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