Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

マカオの新時代 信頼の橋 友情の花で心を結べ

2000.2.19 随筆 新・人間革命2 (池田大作全集第130巻)

前後
7  ――マカオの広宣流布の一粒種は、初代地区部長の志賀尚子さん(故人)である。
 三十数年前、御本尊を抱き締め、あとは鍋だけもって、マカオに渡られたという。
 右も左もわからない新天地で、ただ懸命に、友の幸せのために奔走した。
 マカオに待望の地区が誕生したのは、一九七八年であった。
 さらに、私が初訪問した直後の、九一年の四月に支部へ、九五年には本部へと、大発展していく。
 わが友は、広宣流布という尊き使命に燃えて、地道に、堅実に、そして誠実に「信頼の橋」をかけ、「友情の花」を広げてこられたのだ。
 仏法では、最高の人間主義の指導者を「大橋梁」に譬える。いわば、仏法者とは、「橋をかける人」である。人と人との間に垣根をつくらず、「人間の心を結ぶ人」なのである。
 たとえば、李莱徳り らいとく(レイ・ロイタッ)理事長は、マカオを代表する実業家であり、人びとからの信用も絶大である。総合婦人部長の梁楊玉芙りょうようぎょくふ(リョンヨン・ヨッフ)さんも、事業で実証を示し、マカオの婦女連合会の顧問などの要職を歴任してこられた。
 厳しき現実のなかで、法のため、社会のために格闘しゆく姿は、まさに、法華経に「如蓮華在水」と説かれる通りの仏法即社会の英姿である。私は、両手をあげて喝采を送りたい。
 蓮華といえば、マカオは、古来、「蓮花島」「蓮花洲」と呼ばれてきた。新しいマカオのエンブレム(紋章)も「蓮の花」を象っている。
 先日、マカオの二十一世紀の若き指導者・何厚■か こうか<金へんに華>(ホ・ハウワ)初代行政長官を、私の名代として長男が表敬した。
 その席上、世界中の蓮の花を集める画期的な展示会が、本年、マカオで予定されていることも、話題になったという。
8  東西融合の天地・マカオにゆかりの、ポルトガルの大詩人カモンイスは、歌った。
 「すでに船は用意されている。いかなる恐怖も青春の意気をはばまない」(『ウズ・ルジアダス』小林英夫・池上岺夫・岡村多希子訳、岩波書店)
 わが愛するマカオの友よ!
 出発しよう、新しき千年の大海原へ!
 マカオの希望の船の、誇り高き航海者として、民衆の心と心を結ぶ、大いなる旅へ!

1
7