Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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美しき山形の心 正義の大道輝く 民衆の理想郷!

1999.8.10 随筆 新・人間革命2 (池田大作全集第130巻)

前後
6  戸田先生は、十七歳の時、「桜桃おうとう」の筆名で、若き心情をつづっておられる。
 「桜の如く咲き桃の如く実を結ぶ。
 三日見ぬまに咲く桜だとて、決して三日のうちに用意ができて咲くのではない。前年の冬、雪をしのいで咲くのだ。あたら散ってたまるか、桃の如く実を結ばずして」
 幾多の大難を忍ばれ、先生が人類に残された果実が、いかに偉大であったか――。
 ともあれ、誰でも、その人らしい「桜梅桃李」の人生を飾る権利がある。
 一人ひとりの人間の魂のなかに、夢がある。太陽がある。目には見えない金剛石ダイヤモンドが光る。
 私たちが自らの人生を荘厳していく、その着実な積み重ねのうえに、わが郷土の繁栄も築かれていくにちがいない。
 ちなみに「桜桃」とは、サクランボの意味をもっている。
 山形はサクランボ、西洋ナシで日本一の生産を誇り、リンゴやブドウも盛んな、全国有数の「果実王国」である。
 十二年前、私は、山形市内で果樹農園を営む青年を訪ねた。
 トンボの舞うサクランボ畑で語り合った、あのひと時のことは、まことに懐かしい。
 母子して丹精込めて創られた、「ナポレオン」の名をもつ、もぎたてのサクランボも本当に美味しかった。
7  東北出身の方々は、信念と人格の模範の人が多い。
 風土と人間との関連性は、非常に大きく、相互に深く影響し合っている。
 山形県出身で、創価大学に学んだ、ある女子部の幹部が語っていた。
 「都会に憧れる人は、実に多い。しかし、山形県にいる、私の同志、私の後輩は、喜々として、すばらしき人生を送っている。信仰即社会の正義の大地で戦っている。
 仏法では、『本有常住』『常寂光土』と説いているが、真実の幸福は、都会とか、地方とかという問題では、絶対にない」
 毅然と話していたその姿が、頭に浮かぶ。
 「私は勝った!」という友の歌声は、今や、山形のあの地、この地に轟き渡る。
 わが愛する山形こそ、名実ともに、壮大なる二十一世紀のアルカディアである!

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