Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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長崎の平和の鐘 友よいざ征け 生命の勝鬨高く

1999.7.19 随筆 新・人間革命2 (池田大作全集第130巻)

前後
5  あの悲惨な戦争の電光と殺人の騒音は去り、われらは新しい平和を涙して勝ち取った。恐ろしき武器が消えゆく日を願い、わが兄弟は燃えていた。
 第三日には、私は、長崎市の平和公園に走った。
 実は、四月にフォークランド紛争(マルビナス戦争)が起こり、イギリスとアルゼンチンは戦争状態にあったのである。
 この長崎には、懐かしきイギリスの故・コーストン理事長が同行しておられた。
 どちらの国にも、創価の同志がいる。彼の心は、血と野蛮の紛争を乗り越え、優美な精神性が光る、おとぎの国のような理想の平和の時代を祈っていた。
 私たちは、″平和祈念像″に献花し、厳粛に唱題したのである。
 紛争が終結したのは、二十日後の六月十四日のことであった。
6  私が長崎入りした初日、青年たちが、九州男子部の愛唱歌をつくりたいと、原案をもってきてくれた。
 ″大楠公″などの歌に込められた父子の心を、後継の決意を表現したいというのだ。
 私は応援を約束し、滞在中、時間をこじあけるように、四度五度と推敲を重ねていった。
 ある時は「青年塾」の一室で朱筆をとり、ある時は大村湾に沈む夕日を眺めながら、不滅の光の言葉を探した。
 長崎の県歌「平和の鐘」が、一足早く発表となり、九州男子部の歌が完成したのは、最終日の朝である。それを、凛々しき九州男児たちが歌ってくれた。
 火の国・「青葉の誓い」の誕生であった。
  ♪厳父は覚悟の 旅に発つ
   生い立て君よ 民守れ
   …… ……
   火の国我らの 旗光り
   広布の山の 先駆たり
   友よいざ征け 黎明だ
   ああ青葉の誓い 忘れまじ
   夜明けの世紀だ 黎明だ
   ああ青葉の誓い 忘れまじ
 多くの若人が傷つき、空しく青春を彷徨する時代にあって、今、情熱の血潮たぎる青春を生き抜く、誓いの歌が誕生した。
 わが生命の光を、真実の青春の光を――と。

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