Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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スコットランド初訪問 知性と勇気光る「緑の谷」

1999.6.15 随筆 新・人間革命2 (池田大作全集第130巻)

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7  七百年前、悪逆な圧政に立ち向かった、民衆の大英雄ウィリアム・ウォレスも、ここグラスゴー西部の出身であった。彼は、卑劣な裏切りによって囚われ、見せしめに、残忍きわまる極刑に処せられる。
 しかし、その勇猛なる魂は生死を超えて、民衆の心に炎と燃え広がり、暴君を退散させた。さらに、当時の抵抗の指導者らが残した人権の文書は、アメリカの「独立宣言」にも反映されているという。
 勇気が、すべての道を開く。
 歴史と風土の艱難に鍛え抜かれた、スコットランドの人びとは、まことに勤勉であり、誠実であり、忍耐強い。そして、「自由のある所、これ、わが故郷なり」という気宇壮大な心で、世界を舞台に雄飛してきたのである。
 この点に、牧口先生も、『人生地理学』の中で、いちはやく着眼しておられた。
8  グラスゴー訪問の翌九五年(平成七年)十一月。私は、釈尊生誕の国・ネパール王国に飛んだ。
 国立トリブバン大学での「名誉文学博士号」の授与式の折である。音楽隊の方々が祝賀に演奏してくださった曲は、なんと「勇敢なるスコットランド人」であった。
 私は、ヒマラヤのごとく誉れ高き、スコットランドの友情と善意に輝く多くの友の顔を浮かべつつ、最敬礼して聴き入った。

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