Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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人間のなかへ 大勝利の「民衆王」に喝采!

1998.11.18 随筆 新・人間革命1 (池田大作全集第129巻)

前後
4  牧口先生の次のようなエピソードがある。
 先生は、ある時、懇意にされていた、高名な学者の家を訪問された。
 最初は互いの仕事のことなどについて、和やかに談笑されていたが、先生が法華経について語り、折伏が始まるや、その学者は、突然、声高に叫んだ。
 「帰りたまえ、帰りたまえ」
 そして、先生を玄関に押し出し、パタンとドアを閉めた。
 その時、先生は、残念そうな口調で言われたという。
 「日本最高の識者がこの通りだ。二乗(学者)増上慢ともいうものだろうね」
 牧口先生は、識者や権力者の力を借りて、広宣流布をする気など、全くなかった。この学者に対しても、一人の友として、真実の仏法による、真の人間の道を、教えようとされたのだ。
 苦悩する民衆のなかへ、人間のなかへ、生命のなかへ――それが、牧口先生の戦いであり、創価の誉れの伝統である。
5  私たちは、この先師の精神を受け継ぎ、今、民衆の勝利の時代の朝を断固として開いた。
 その大功労者は誰か。
 来る日も、来る日も、友の幸福を祈り、願い、厳然たる折伏に励んだ皆様である。
 機関紙の啓蒙に足を棒にして歩き、学会の正義と真実を語り抜いた、尊き、あまりにも尊き皆様方である。
 ひたすら、後輩の成長を念じ、日々、勇気ある激励に通い、悪口や非難を乗り越えながら、仏の心を受持せる皆様方である。
 あの地域でも、この地域でも、人間主義と平和主義の第一人者を誇りとして、″これが創価学会である″と、″この私の姿を見てください″と、晴れ晴れと栄光の旗を打ち立てて、進んでこられた皆様方である。
 私は、その、無名にして、あまりにも尊き仏の慈悲行の行動をなされておられる、お一人お一人に、最高の敬意と感謝を込め、「民衆王」の王冠を捧げたい。
 そして、また、強い握手をしながら、私は、あなたに、こう呼びかけたい。
 「さあ、出発しよう。われらの世紀のために、広宣流布の旅に出よう」と。

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