Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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私の編集長時代 勇気与える″日本一の雑誌″を

1998.11.5 随筆 新・人間革命1 (池田大作全集第129巻)

前後
4  『少年日本』は、好評であった。部数も伸びていた。
 だが、戸田先生の会社の経営は窮地に追い込まれ、遂に十月の末、先生は、断腸の思いで出版事業を断念されたのである。
 結局、この年の十二月号が、最終号となってしまった。
 その号に、児童文学作家の南洋一郎氏(別名・池田宣政)は、連載小説のほかに、「次代を担う少年達へ」と題する詩を寄せてくださった。
 「ぼくたちは、どんなときでも へこたれないことにしよう。
 へこたれるということは二重に負けたことになるのだ。
 人間のことだから負けることも失敗することもある。
 それはしかたがない。
 負けた上にへこたれたらだめだ。
 ぼくたちは二重に負けるいくぢなしであってはならない」
5  それから、戸田先生と二人三脚の、新しい勝利への建設が始まったのである。
 私の編集者としての生活は、わずか一年ほどで、突然、終止符が打たれてしまった。
 しかし、さまざまな方々との真剣な出会いは、私の人生の金の思い出となっている。
 「どんなときでも へこたれないことにしよう」――この言葉を、私とともに読んだ、あの時の若き瞳の読者は、今、どうなっているだろうか。

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