Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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民衆の力 学会は″善の連帯″の大堤防

1998.10.22 随筆 新・人間革命1 (池田大作全集第129巻)

前後
5  翌年、雨期が近づくと、住民は、私費で堤防をつくろうと、集会を企画したが、それも警察の力でつぶされてしまった。
 ″なぜ、自分たちが犠牲を強いられるのだ! なぜ、堤防の建設が許されないのだ!″
 住民は、あきらめなかった。理不尽な権力に、知恵をもって抗した。
 築堤が許可されないなら、川に沿って走る道路を嵩上げするという、道路の改修を名目に、築堤工事を進めようとの案が出された。
 必死の一念から生まれた知恵は、新知事を動かし、堤防建設は着工された。
 その後も、東京府側から反対が起こり、中止命令が出されるなど、事態は難航した。
 しかし、新知事も住民と心を同じくし、決して、退くことはなかった。
 紆余曲折はあったが、一九一六年(大正五年)の十月、念願の堤防が完成するのである。まさしく、民衆の執念と忍耐の勝利である。
6  古賢のいわく、「君は舟なり、庶人は水なり、水はすなわち舟を載せ、水はすなわち舟を覆す」と。
 本来、民衆こそ主人であり、その力こそが、歴史を変えゆく原動力となる。
 学会は「民衆の、民衆による、民衆のための組織」である。ゆえに、権力は、その台頭を何よりも恐れ、あらゆる策謀を企て、迫害の濁流となって襲いかかってきた。
 だが、いかなる力をもってしても、われらが築き上げてきた、民衆の″善の連帯″の大堤防を破ることは、絶対にできない。
 それは、二十世紀が生んだ、最も偉大なる、見えざる「民衆勝利」の大堤防であるからである。

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