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第43回「SGIの日」記念提言 「人権の世紀へ 民衆の大河」

2018.1.26 「SGIの日」記念提言(池田大作全集未収録分)

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36  誰も置き去りにしない世界を!
 私どもSGIも、“万人の尊厳”を掲げる仏法の思想に基づき、女性のエンパワーメントの裾野を広げる活動を続けてきました。
 国連の「女性の地位委員会」の取り組みを市民社会の側から支援し、国連本部での会合に代表が参加するとともに、2011年からは、他団体と協力して会合の並行行事を継続的に開催しています。
 また、国連人権理事会の会期に合わせて、女性の権利を守るための信仰と文化の役割や、男女平等のためのノンフォーマル教育をテーマにした関連行事を行ってきました。
 昨年3月の「女性の地位委員会」では、ジェンダー平等と宗教に関する世界的なプラットフォームが立ち上げられました。
 その目的は、それぞれの信仰に基づく言説を展開する中で、女性の人権や貢献に対する社会の認識を改善する流れをつくり出し、地域をはじめ、国や国際レベルでのジェンダー平等に関する政策や法律の整備などの規範づくりに影響を与えていくことにあります。
 SGIとしても、このプラットフォームの活動に積極的に参加し、他のFBOと力を合わせながら、困難に直面する女性たちの生きる力の源となり、地球的な課題の解決を前に進めるためのアリアドネの糸=注6=を、共に紡ぎ出していきたい。
 そして、市民社会の声を結集し、「女性のエンパワーメントの国際10年」の制定に向けた機運を高めていきたいと思います。
 SDGsが掲げる「誰も置き去りにしない」とのビジョンは、世界の半分を占める女性たちの人権を守り、希望と尊厳をもって生きられる社会を築く挑戦の中で、力強く躍動していくに違いありません。
 この2030年に向けた挑戦を展望する時、かつてローザ・パークスさんが、心の支えにしてきたものとして紹介してくださった言葉が思い浮かんできます。
 「“人間は苦しみに甘んじなければならない”という法律はないんだよ」との、パークスさんの母君の言葉です。
 パークスさんの母君も差別と戦い続けた女性でしたが、この切実な思いこそ、ジェンダー平等を基軸にSDGsの取り組みを前進させるために、あらゆる差異を超えて皆で共有すべき精神ではないでしょうか。
 今後もSGIは、一人一人の生命と尊厳を守ることを基盤に、地球的な課題を乗り越えるための民衆の連帯を大河のように広げていきたいと思います。
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