Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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三世十方の仏土と宇宙観  

「内なる世界 インドと日本」カラン・シン(池田大作全集第109巻)

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7  池田 私は自然科学が解明した真理と同様、哲学や宗教のもっとも根本的な真理も、宇宙的普遍性・共通性をもっていると考えます。『法華経』が三世十方の仏が集まった会座で説かれ、それらの諸仏がこの『法華経』の説くところを真実なりといって証明する場面が描かれているのは、こうした普遍的真理が『法華経』の明かそうとしたものであることを示しています。
 したがって、もし仮に、どこか遠くの世界に、この地球上の人類とはまったく違った種類の高等生物が存在していたとしても、生命の原因・結果の法則――これは何が善で、いかなる行為が悪かという、倫理的規範と結びついていますが――についての認識は、少なくとも、その基本的な点ではたがいに合意に達しうるのではないかと想像しています。
8  カラン・シン もちろん、まったく同じ法則が、全宇宙の何百万という世界のすべてに当てはまるかどうかとなると、議論の余地があるでしょうが、おっしゃるような因果律、つまりカルマの法則は、普遍的であるように思われます。
 しかし、それさえも、われわれ人間が、その知力に限界があるために、傾向性として、既得の知識や概念を全宇宙に拡大し、適用しているだけにすぎないのかもしれないのです。ご承知のとおり、物質の作用を支配する“不変”の諸法則といわれたものも、極小か極大のいずれかに適用しようとすれば、通用しないことがわかっています。
 したがって、地球上では不変と思われている重力の法則が重力圏の外では働かないのと同じように、カルマの法則に束縛されないなんらかの種類の生物が存在することも、決して考えられないことではないのです。

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