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日蓮大聖人・池田大作

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第25回「SGIの日」記念提言 平和の文化 対話の大輪

2000.1.26 平和提言・教育提言・環境提言・講演(池田大作全集第101巻)

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66  先に紛争解決のところで論じたように、当事者を排除するのではなく、「対話の場」を常に確保しておくことが、緊張を軍事衝突にエスカレートさせないために不可欠と考えます。
 ソウルでのNGO大会では、日韓中のNGOによる連合づくりなども検討されたようですが、政府レベルに限らず、民間レベルでも「対話のチャンネル」を確保しておく意義は大きいのではないでしょうか。
 こうした地域交流の一環として、私は、欧州平和大学のような機関――「北東アジア平和大学」なるものを、国連大学などの協力を得て、たとえばモンゴル国に設置してはどうかと考えるものです。
 私がモンゴル国を候補として考えるのは、同国が九八年に国連で「非核兵器国の地位」を承認された平和を志向する国であることと、同地域でロシアや中国と並び、北朝鮮と外交関係を有している点からです。
 設置場所はともあれ、平和大学を民衆交流と、平和建設のための人材育成の場に――ひいては、EU(欧州連合)が推進している教育交流のための「ソクラテス計画」を、北東アジアでも将来的に実現していくための礎となれば、長期的に地域の平和と安定に資することができると思うのです。
 同地域で積極的に教育交流を推進してきた実績がある創価大学としても、教育交流や青年交流のプログラムに貢献していきたいと思います。
 折しも本年行われる沖縄サミットでは、アジア地域の平和が議題の一つとして取り上げられる予定となっています。この機会を生かし、韓・朝鮮半島をはじめとする北東アジア地域が大きく平和へと前進できるように、幅広い観点から論議を深めてほしいと念願するものです。
67  多くの悲劇を生み出した二十世紀が「警告の時代」であったとするならば、行動と連帯こそが二十一世紀のキーワードです。人類を取り巻く問題群は、あまりに複雑すぎて、何から手をつけてよいのか、容易に方途が見いだせない場合が多いかもしれません。しかし大切なことは、正しいと信じる方向に向かって行動を開始することです。必要なのは、現実に追従するのではなく、″新しい現実″を生み出す挑戦を開始することです。
 人間の精神には、どんな困難な状況をも打開し、より豊かで実りある価値創造を成し遂げる力が備わっています。こうした偉大な精神の力を、一人一人の人間が縦横に開花させながら、変革を目指す連帯の絆を深め、「平和の文化」を築き上げていく――ここに、私が「生命の世紀」と名付ける二十一世紀の、最大にして最重要の挑戦があると訴えたい。
 その主役こそ民衆です。私たちSGIは、グ民衆の民衆による民衆のためのエンパワーメント運動をさらに力強く推し進め、志を同じくする世界の人々と力を合わせながら、「新たな千年」の平和と希望の大道を開いていきたいと思います。
 (「聖教新聞」掲載)

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