Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第22回「SGIの日」記念提言 『地球文明』への新たなる地平

1997.1.26 平和提言・教育提言・環境提言・講演(池田大作全集第101巻)

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62  歴史を振り返れば、「善」なる人々は常に分断され、社会を変革しようとする「正義」の行動も確たる力を出せぬまま、その多くが挫折を経てきたことがみてとれます。私は、この人類史の不幸な流転を何としても止めたい。このままでは、ますます人々の間に無力感とあきらめがつのり、危機に敢然と立ち向かう勇気と英知を糾合するチャンスさえ永久に失われてしまうでありましょう。
 人類は今まさに、これまでの歴史をただ延長させて"自滅"の時を待つのか、それとも「第三の千年」という新たな地平を開いて「地球文明」「人類文明」を創出させるのかという運命的な分岐点に立たされております。
 そこで重要となるのは、同じ一つの船に乗る人間として、他人任せの「乗客の気楽さ」で過ごすのか、それとも、自ら進むべき方向を見いだし自ら舵を取る「船長の責任感」で臨むのかということでありましょう。
63  ローマクラブのホフライトネル会長は昨年二月、私と会談した折に、現実が深刻であればあるほど、人々には「希望」が必要であり、また、「問題点を探す」ことに止まることなく「解決法を見いだす」努力が重要となると強調されておりました。それに続けて語られた会長の言葉は、印象深く記憶に残っています。
 「私は信じます。すべての問題の解決の知恵は、民衆の中から生まれることを」――と。
 まさに私たちは、一人一人が歴史を変革しゆく主人公であるとの気概と確信をもって、眼前に立ちはだかる地球的問題群の解決へ堂々たる挑戦を開始していかなければならないのであります。
 私どもSGIはその強い自覚のもと、仏法を基調とした平和・文化・教育の推進を通じ、「新たな人間主義」に基づく連帯の輪を更に広げてまいりたい。そして、世界の善なる人々とともに手を携え「勇気」と「英知」を結集し、"文明の危機"という最大の試練を乗り越え、すべての人間が光り輝く「第三の千年」の扉を開いていきたいのであります。

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