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日蓮大聖人・池田大作

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第56回本部幹部会、第13回全国婦人部… 「師弟不二」が学会の魂

2006.1.6 スピーチ(2006.1〜)(池田大作全集第100巻)

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3  大雪の中での奮闘に、無事・安穏を祈る
 この年末から年始にかけて、北海道、東北、信越、北陸、中国等々、全国各地で記録的な大雪になった。とくに、秋田、新潟、福井をはじめ、大雪のなかで奮闘しておられる皆さま方に、心からのお見舞いを申し上げます。
 大雪で交通事情の大変ななか、勇んで集まってくださった皆さま方、本当にご苦労さまです。パン屋さんを営んでいる総秋田の婦人部長は、じつに二日がかりで駆けつけてくださった。そういうことも、よくうかがっている。
 私は、小さいことも含めて、どんなことでも、四六時中、報告を聞く。交通事故が起きれば、どこで起きたのか。今、病院に入っているのはだれで、どんな具合なのか。朝から夜中まで、連絡が入ってくる。今まで、真夜中に跳ね起きて、お題目をあげたことが何度あったか。
 学会の役職は、一般世間でいうような「位」や「立場」とは関係ない。ただただ、会員のために、広布のために、峻厳な責任をもって、すべてやりきる――これが、本当の創価学会の指導者である。このことを、未来にわたって絶対に忘れてはならない。
4  日蓮大聖人は言われた。
 「雪の中を踏み分けて(あなたは使いを身延の山中にいる私に)寄こしてくださいました。その御志は、必ずや法華経も十羅利女も知っておられることでしょう」(御書1388㌻、通解)
 大雪の被害を知ったとき、私はすぐに、この御文を思い出した。
 雪の中を踏み分けて、妙法のために――その尊き「志」とは、現代の私たちに広げていえば、真剣な「指導・激励」である。「折伏」である。また、広宣流布のための「連絡・報告」等にあらわれるとも言えよう。
 大聖人は、そうした志を最大に讃え、「あなたの志は、すべて知っていますよ!」と励ましておられるのである。健気な皆さん方を、大聖人はどれほど賞讃してくださっていることか。その功徳は計り知れない。
 もちろん、決して無理をしないでいただきたい。幹部は、安全第一、健康第一で、皆に絶対に無理をさせないよう最大の配慮をお願いします。私は豪雪地域の皆さまの無事・安穏を心から祈っています。
5  各部の代表へ、ますますの活躍を
 きょうは創価大学・学園出身の学術者グループである「創大インテレクト会」の代表も集っておられる。久しぶりに会えてうれしい。ご苦労さま!
 創価教育を担い、日本の学術界を担う指導者として、ますます実力を磨いていただきたい。
 フランスの大文豪ロマン・ロランは、芸術は「生命を百倍にし、強化し、より大きく、よりよくすることである」(「民衆劇場」宮本正清訳、『ロマン・ロラン全集』19所収、みすず書房)とつづった。
 この言葉のとおりに進んでいるのが、学会の芸術部である。芸術部は文化の「先駆者」であり、「旗手」である。皆で応援してまいりたい。
 またドイツの大音楽家シューマンは、次の言葉を残している。
 「人間の心の深奥へ光を送ること――これが芸術家の使命である!」(『音楽と音楽家』吉田秀和訳、岩波文庫)
 これらの言葉を芸術部の代表に贈りたい。
 中国の大文豪・巴金先生。私は四度お会いし、語り合った。昨年(二〇〇五年)亡くなられたが、本当に立派な方であった。
 先日も紹介したが、巴金先生は私との語らいのなかで、「教育の本義は、人間を変革させていくことであり、人間の魂を浄化していくことだと思う」と述べておられた。
 また、初代会長の牧口先生は、「教育は、あせってはいけない。種をまいていけば、やがて必ず芽が伸び、大木となっていく。あせらず立派な伝統をつくっていくことだ」と語っておられた。
 教育者として活躍する友に、これらの言葉を贈りたい。
6  全国、そして全世界の皆さま方、あらためて、あけまして、おめでとうございます!
 とくに、芸術部の皆さま方、すばらしい大活躍と大発展、おめでとう!
 私も、妻も、いつも大拍手を送っております。皆さんは一千万人の同志という″ファン″がいます。今年も、頑張ってください!
 さらにスポーツ界で奮闘される皆さま方、今年も、偉大な勝利を祈っております。どうか、健康第一で、お元気で!
 また、明るい「女子部の新時代」、おめでとう!
 いよいよ「女子部の時代」である。女子部に光をあて、学会をもう一度新しく脱皮させ、新鮮な、未来への希望に燃えた道をつくっていきたい。これが私の願いである。女子部は楽しく伸び伸びと、幸福の前進をお願いします。
7  希望輝く「女子部革命」を
 日蓮大聖人は、一人の健気な女性の信心を讃えられ、「春の千里の野に火を点ずれば、一時に無量無辺の火となるように、妙法への供養は無数の仏に対して供養したことになる」「その功徳は父母をはじめ、数限りない人々に及んでいく」(御書一二三一ページ、趣意)と仰せである。
 健気に、広布のため、友のために生きゆく皆さまの功徳は絶大である。
 今の時代にあって、若き女性が、友人の幸福を願って仏法を語る。友の家を訪れて、激励する。なかなかできることではない。本当に尊いことである。
 一人の女性の力が、どれほど大きいか。結婚して家庭をもった場合には、ご主人をはじめ、子どもや親族に信心の偉大さを教えていく。「ああ、すばらしい人だな」と、周囲に信頼と共感の輪を広げていく。そして、一家、一族を幸福と緊の方向へと引っ張っていく――そうした存在となっていくのである。
 純粋で、健気な女性の信心によって、学会は大きく発展してきた。この事実を決して忘れてはならない。女性を下に見るようなことがあってはならない。女子部の友が健康で、無事故で、幸福であるように、男性の皆さんも、しっかりと題目を送っていただきたい。女子部を守り、伸ばしていけば、学会もまた、未来に伸びていく。女子部を強くすることが、学会を強くする。これが方程式である。
8  今年は、待望の「創価女子会館」が誕生する。
 私たち夫婦も、会館の完成を、本当に楽しみにしている。工事が進んでいる様子も、よくうかがっている。(=二〇〇六年三月、東京・信濃町に地上二階、地下二階の建物が完成。同年五月三日、開館式が行われた)
 女子部が、思う存分、活動できるようにすることが大切である。女子部を増やすことが、広宣流布の永遠の勝利と、繁栄の門を開く。これは、戸田先生の教えである。
 女子部の皆さん、頑張ってください! 希望あふれる「女子部草命しのために、皆で女子部の友を激励し、皆で応援していきましょう!
 大聖人が、女性門下をいかに大切にされ、その信心を讃えていかれたか。それを私は、戸田先生から講義していただいた。
 御書だけではない。万般の学問を、私は毎朝、先生から教わった。日曜日も、ご自宅に呼んでいただき、徹底して勉強である。「遠いところ、ありがとう」と、先生みずから食事を用意してくださることもあった。
 先生は、どこへ行かれるにも、私を離さなかった。
 いつも「読書を忘れるな」と厳しかった。そして「その本には、どう書いてあるのか」と質問される。ちゃんと読まずに答えると、「それはおかしいんじゃないか」と、すぐ見破られた。天才的な先生であられた。
9  多くの女性が非暴力闘争で活躍
 「世界一の婦人部」の結成五十五周年、万歳!
 現在、私は、インドの哲学者N・ラダクリシュナン博士と、新しい対談を進めている。(=二〇〇九年一月、対談集『人道の世紀へ――ガンジーとインドの哲学を語る』と題し、第三文明社より発刊)
 博士が、マハトマ・ガンジーの非暴力闘争の大きな特徴として挙げておられる点は何か。
 それは、じつに多くの女性たちが、勇敢に「最前線で活躍した」という歴史である。
 もしガンジーがいたら、どれほど創価学会を理解し、賞讃することか――博士は、学会の広宣流布運動に、強い期待を寄せてくださっている。
 (=博士は、こう語っている。「〈池田〉会長が先頭に立ち推進しておられる新たな『人間革命』の運動において、女性を大切にし、女性をその中心に置かれていることに対し、人類は永遠に感謝することでしょう」)
 なぜ、女性たちは、いかなる労苦もいとわず、ガンジーという″師″とともに戦ったのか。その理由として、博士は、ガンジーの妻、カストゥールパ夫人の洞察を紹介しておられた。
 それは、「女性たちは、男性たちよりもはるかによくガンジーを理解していた」という言葉である。女性のほうが、師匠の偉大さを、よく分かっていた――男性というのは、往々にして、自分以外の人物の偉大さを、謙虚に認められないものである。
 その根底には″ヤキモチ″がある。″おれが、おれが″という″我″がある。なんらかの地位を得た男性は、とくにそういう傾向が強い。それは、これまでの歴史を見ても分かる。
10  女性の智慧と団結とそ希望
 ラダクリシュナン博士は、これからの世界の希望は、ひとえに「女性の智慧と団結」に託されていると見ておられる。
 学会の婦人部、そして女子部の存在が、どれほど大切であるか。ときに男性以上に、広布のために戦っている創価の女性たち。その姿の、なんと尊いことか。本当に偉い。
 この方々を心から大切にし、最敬礼していくことだ。そうすれば、学会はさらに発展する。それができなければ、伸び悩む。
 ラダクリシュナン博士は、「池田会長は、『生命の世紀』の到来に向けて、生涯を捧げてこられました」と語ってくださった。
 温かいご理解に、深く感謝したい。十九歳のときから、戸田先生のもとで必死に在って戦いぬいてきたことは、私の最高の誇りである。
 続けて、博士は言う。
 「『生命の世紀』の実現は、家庭や地域、さらには社会全体を育んでいく母の慈愛の潮流を、明確な形で拡大できるかどうかにかかっていると、私は思っています」
 歴史的な発言である。″母の慈愛″の潮流を、どこまで拡大できるか。婦人部、女子部の使命は、いや増して大きい。一国、さらには世界の運命をも決定していく力がある。
 その意味からも、女子部、婦人部を、もっともっと大切にしていかねばならない。全リーダーに、この一点を強くお願いしたい。女性に対して、傲慢な態度をとったりするようなことは、絶対にあってはならない。許してもならない。
 女子部、婦人部の皆さん、いつも本当に、ありがとう!
 ラダクリシュナン博士のように、世界の良識は、創価の女性の「生命尊厳の連帯」を、熱い期待の眼で見つめている。
 創価の女性の連帯こそが、平和の推進力であり、幸福の原動力なのである。
 全国各地での婦人部総会の大成功を、ともどもに祈り、皆で応援していこう!
11  広布の大師匠をただ一人、守る
 本年七月、男子部は結成五十五周年を迎える。おめでとう!
 ――五十五年前(一九五一年=昭和二十六年)の一月、戸田先生の事業は最大の苦境にあった。すでに前年の夏には、当局から営業停止命令を受けていた。
 さんざん先生に、お世話になってきた人たちが、ひとたび風向きが悪くなると、一人また一人と、先生のもとを去っていった。なかには、「戸田のバカ野郎!」と不知恩の罵声を浴びせて、離れていった者もいたのである。
 最後に残ったのは、実質的に、私一人。若き私は、悪口と中傷を浴びながら、先生の事業の再建へ駆けずり回って働いた。給料は何カ月ももらえない。食事も満足にできない。せめて体が、もう少し丈夫であったなら。苦しみ、悩み、もがきながら、新たな活路を求めて、真剣に唱題を重ねた。毎晩のように御書を拝した。
 戸田先生は、さまざまなことを熟慮された末に、理事長の職も辞任されたのである。
 (=戸田先生が理事長辞住の意向を発表したのは昭和二十五年八月二十四日)
 私は、思いあまって戸田先生にうかがった。
 「先生、先生が理事長をお辞めになれば、新しい理事長が、私の師匠になるのですか」
 戸田先生は言った。
 「それは、ちがう。苦労ばかりかけるけれども、君の師匠は私だ」
 わが人生の忘れ得ぬ一場面である――。
 あまり自分で自分のことを言いたくはないけれども、次の学会を背負っていく青年部には、すべて知っておいてもらわねばならない。あえて、きょうは、真実の歴史のい一端を語らせていただく。
12  ″大楠公″の精神に託して
 さて五十五年前、昭和二十六年の一月六日のきょうこの日、私は、正午近く、戸田先生のご自宅に呼ばれ、先生の部屋に入った。二十三歳になったばかりであった。
 あの剛毅な、偉大な戸田先生が、このときばかりは、憔悴しきっておられた。
 事業の状況は悪化の一途であった。まさに絶体絶命の危機に追い込まれていたのである。厳しい表情であられた。
 部屋にいたのは、先生と先生の奥様と私の三人だけ。そして先生は、「きょうはよく聞いてもらいたいことがある」と私に、こう話されたのである。
 「私に、もし万一のことがあったら、学会のことも、事業のことも、いっさい、君に任せるから、全部、引き受けてくれないか」
 先生は、さらに声を強められた。
 「何が起きたとしても、私と君とが、使命に生き切るならば、きっと大聖人の御遺命を達成する時が来るだろう。誰が何と言おうと、強く、強く、君は、学会のために前へ進むのだ」
 戸田先生の遺言と、私は厳粛に受け止めた。
 そして、この日の誓願を、″大楠公″の精神に託して、次のように日記に書き留めたのである。
 「先生は、正成の如く、吾れは、正行の如くなり。奥様は、落涙。此の日の、感動、厳粛、感涙、使命、因縁、生き甲斐は、生涯、忘るることはない。
 後継者は、私であることが決まった。
 激越の、年も刻々と明けて来た。いかなる苦悩にも打ち勝ちて、男らしく、青年らしく、若人らしく、本年も戦いきろう」(『若き日の日記』本全集36巻収録)
 この日、この時の「師弟の誓い」のままに、私は死にものぐるいで戦った。広宣流布の大師匠であられる戸田先生に、ただ一人、お仕えし、ただ一人、お守りしぬいた。これが学会の歴史である。師弟の本当の姿である。この一点にこそ、学会の魂があり、原点がある。
13  「師弟不二」の大闘争で学会は大発展
 幹部であっても、戸田先生と苦衷を分かつ者は、ほとんどいなかったといっていい。理事長を務めた人間までが、戸田先生を誹謗したのである。しかし、だれがどうあろうとも、私は心に決めていた。
 ″断じて、戸田先生に、次の会長になっていただくのだ。そして、広宣流布の指揮を縦横無尽に執っていただくのだ″
 私は祈った。先生のために。学会のために。激闘のなかで祈りぬいた。丑寅勤行もやった。もう寝ても覚めても題目。歩いていても題目。車の中でも、電車に乗っても、時間さえあれば、すべて題目。ただただ、題目を抱きしめて、この世の残酷な苦難をはね返し、戸田先生が第二代会長に就任される道を、命を賭して、切り開いていったのである。
 そして迎えた昭和二十六年の五月三日。苦悩の激動を耐え忍ばれ、ついに、戸田先生は、晴ればれと第二代会長に就任された。その盛大な推戴の儀式の日。戸田先生は、そっと私に「君の、おかげだよ。本当にありがとう」と落涙された。
 また晩年、私の義父母と数人の学会首脳がいる席で、戸田先生は語っておられたという。
 「私の人生は、良き弟子を持って、本当に幸せだった」と。
 思えば、初代の牧口先生が軍部権力と対決して牢獄につながれたとき、獄中までお供し、最後まで戦われたのは、戸田先生、ただお一人であった。この「一人」が大事なのである。
 その戸田先生を、人生のすべてを捧げて、お守りしぬいたのは私である。ゆえに私は、第三代会長となった。この究極の「師弟不二」の大闘争にこそ、今日にいたる学会の大発展の根本の因がある。それを、断じて忘れないでいただきたい。
14  世界一の栄誉をわが師に捧ぐ
 あの日から五十五年。私はまもなく、ロシアの人材育成の模範として名高い総合大学「ウラル国立大学」から、「名誉博士号」を拝受する。
 この大学は、文豪ゴーリキーが設立に尽力した、八十五年の伝統を誇る名門学府である。
 これで世界の学術機関から頂戴した名誉博士号・名誉教授の称号は、「百八十五」となる。決定通知を入れると「二百十」に及ぶ。この世界一の知性の栄誉を、私は、″戸田大学″の誉れの卒業生として、恩師に謹んで捧げたい。
 三代の師弟は勝ちました! これも、すべて、苦楽をともにする、わが同志の皆さま方に生々世々、流れ伝わる栄光であり、福徳である。
 とりわけ、青年部の諸君は、創価の師弟に連なる尊き使命をがっちりと身に受けて、一人ももれなく、正義の勝利の人生を飾っていただきたい。青年部の時代である。すべては、未来ある諸君に託すしかない。いかなる嵐にも屈せぬ「池田門下生」として、誇り高く生きぬいていただきたい。
15  「学会は人間の可能性を開発」
 日本は少子化が進み、人口減少の時代に入った。重大な問題である。それに伴い、さまざまな不安も渦巻き始めている。
 しかし、私がともに対談集を発刊した、アメリカの女性未来学者へンダーソン博士は、″こうした変化は、「人間の幸福」という次元から成熟した社会を建設していくチャンスの到来である″と、とらえておられた。聡明にして価値的な視点の転換であると思う。
 (博士は述べている。「人口の高齢化は、見方を変えれば、社会が成熟しつつあるということでしょう。人口の減少や高齢化を社会にとっての悪と考える意見には、私は反対です。成熟した社会は、今よりもっと心の覧大な社会になれますし、いろいろな意味で世界にリーダーシップを示すことのできる社会であると思います」〔『地球対談 輝く女性の世紀へ』主婦の友社〕)
 博士は、その希望のモデルとして、創価学会に絶大な期待を寄せてくださっている。世界を代表する未来学者が、私たちの活動に、大いなる光明を見いだしているのである。
 博士は、こうも語っている。「創価学会は一人ひとりがもっ可能性を深く自覚し、その可能性の開発をつねに教えてきました。人間の可能性を認識し、開発していく作業は人間としてもっとも幸福な生き方ではありませんか」(月刊「パンプキン」二〇〇六年二月号)
16  「一人」を強く「一人」を賢く
 「一人」を大切に――ここに、創価学会の原点がある。仏法の根本精神も、ここにある。
 「一人」の人間は、かけがえなく尊い。世界中、どの一人一人にも、尊厳なる仏性がある。そう見ていくのが、仏法である。
 一人の尊さを無視し、軽んじて、人間を「集団」で見ていこうとするのは、権力者の発想である。それでは、独裁者のヒトラーと同じになってしまう。
 ヒトラーに、一人一人の尊厳は、分からない。「大勢」「集団」にこそ価値があった。
 それはなぜか。権力者にとって、人間は「手段」にすぎないからである。
 権力は人間を、銃弾のように武器にする。金銭のように使いこなす。おのれの欲望のために、大勢の人間をうまく動かし、全体を操作しようとする。
 学会のいき方は、これに真っ向から反対する。一人一人の幸福こそが、広宣流布の「目的」だからである。「一人」の人間がもつ計り知れない可能性を信じ、その力に目覚めさせ、発揮させ、連帯を広げてきたのが、創価の民衆運動の歴史である。
 全体があって、一人一人があるのではない。まず一人一人の人間があって、強く団結していくのである。この根本を間違えたら大変なことになる。権力者の発想をする人間が現れたら、それは学会を利用する極悪人である。
 すべては、「一人」に帰着する。私どもは、もう一度、「一人を大切に」との原点を確認しあいたい。そして、いちだんと「一人一人」に光をあて、励ましの声をかけながら、宝の人材を大切に育ててまいりたい。一人一人が強くなる。賢くなる。それでこそ、二倍、三倍、十倍の力を発揮していけるのである。
17  「師子王の心」で勇敢に戦え
 ノルウェーの世界的に有名な人道主義者であり、探検家であったナンセン。ノーベル平和賞を受賞したことでも知られる。彼は、こう叫んでいる。
 「人類にとって一層よい未来に近づくことができるようにと、真実に望むならば、その第一の条件は、勇気をもつことであり、恐怖に支配されないことである」(『わが人生観』吉野源三郎訳、岩波書店)
 たしかに、そのとおりだ。「勇気」でいこう! 信心とは、「最極の勇気」の異名である。何ものをも「絶対に恐れない魂」である。何ものにも「永遠に負けない根性」である。
 大聖人は「師子王の如くなる心をもてる者必ず仏になるべし」と断言された。大事なことは、強い人間であることだ。創立八十周年へ、「師子王の心」で勇敢に戦い、朗らかに勝ち、断固として、万代に崩れぬ、金剛の伝統輝く創価学会をつくろう!
18  アメリカの皆さま方、アルゼンチンの皆さま方、韓国の皆さま方、台湾の皆さま方、そして尊き海外の皆さま方、本当にご苦労さまです。ありがとう!
 ご健康とご多幸を祈り、お題目を送ります。お帰りになったら、大切な同志に、どうか、くれれも、よろしく、お伝えください。
 学会は、永遠に全世界が「異体同心の団結」で前進しよう!
 ありがとう! サンキュー! ダンケ! 謝謝!
 風邪をひかれませんように。そのためには、手洗いや、うがいをするとと。よく寝ること。
 ともかく、しっかりと祈ることである。絶対に風邪をひかない、と心を決めることだ。また、あまり太りすぎたり、やせすぎたりしないよう、健康な食生活を心がけることも大事であろう。
19  朗らかに進みゆく人生を
 先ほども申し上げたが、これからはいっそう、女性を大事にしていきたい。女性を大事にするジェントルマン(紳士)は、なんとも言えない、爽快さがある。人格の光がある。
 いわんや、創価の女性は、御本尊を持った女性である。広宣流布を進める女性である。これほど尊い女性はない。男性は、女性の皆さんに「ご苦労さまです」と感謝することだ。温かい言葉をかけることだ。
 朗らかに進もう! 人生、いろんなことがある。それでも朗らかに! 朗らかな人は幸せである。どうか、いい一年でありますように! 本年もよろしく!
 芸術部ありがとう! 海外の方々も、お元気で! ご長寿を祈ります。
 皆さん、本当にありがとう!
 (東京牧口記念会館)

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