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日蓮大聖人・池田大作

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創立七十五周年記念本部・海外最高協議会… ともに元気に!大満足の人生を飾れ

2005.11.11 スピーチ(2005.8〜)(池田大作全集第99巻)

前後
20  若きナポレオンが世界史の表舞台に彗星のごとく登場した時、彼の行くところ、「前進、また前進!」の、みずみずしい息吹があった。戦いが窮地におちいると、みずから先頭に立って、皆を鼓舞し、勝利を切り開いた。「私とともに進め! 私の後に続け!」と。
 戦いを終えると、彼は陣地を回って兵士たちをねぎらい、負傷兵をいたわり、皆と一緒に休んだ。皆と食事も一緒に分かち合った。兵士たちは、そんな彼を「小伍長」のあだ名で呼び親しんだ。
 そこには上下という意識はなかった。古い権威や、虚栄とも、無縁だった。愛する祖国を守り、フランス革命の理想を確立しよう。そういう思いに、皆が燃えていた。第一次イタリア遠征では、兵士たちの「ラ・マルセイエーズ」(フランス国歌)の晴れやかな歌声が、アルプスの山々に響きわたったという。
 しかし、やがて、ナポレオンの隊列から、こうしたみずみずしい息吹も、一体感も、失われていく。ナポレオン自身が戦場を駆けめぐり、すべてを自分で判断して、細かく指令を出していた時は、まだよかったが、軍隊の規模が大きくなると、ナポレオンの目も全軍に行き届かない。
 だからこそ、「ナポレオンなら、どうするか」「ナポレオンの考えは、こうである」と自分の頭で考え、行動する「不二」の人間が必要だったのである。
 しかし、ナポレオンの命令どおりに動けば勝利が手に入った将軍たちは、いつしか″自分で判断することができない″という官僚主義におちいってしまった。組織が硬直化していった。これが、ナポレオンの行き詰まりの大きな要因となった。
21  次の五十年を担う人材の陣列を
 ナポレオンの栄光は、わずか二十年であった。
 百年、二百年と栄えていく組織をつくることが、いかに至難の事業であるか。いわんや、「末法万年尽未来際」の広宣流布に挑んでいるのが、創価学会である。
 戸田先生は強く訴えられた。
 「組織を陳腐化させてはならない。官僚主義で機械的に上がっていくような、また、そつなくやっていればいいというような、退嬰的、保守的な組織になってはいけない。人材が、どんどん抜擢されるような、生き生きとした組織でなければならぬ。
 学会は、人材で築かれた城なのだ。広宣流布を唯一の目的とする一つの生命体だ。そして日進月歩、つねに生々発展する生命そのものなのだ」
 今、各地で新しい人材が躍り出できた。私は、本当にうれしい。次の世代がどうなるか――これは、今のリーダーの責住である。その決心の深さで決まる。絶対に、若い人を、上から抑えつけてはいけない。それでは、人は伸びない。この一点を、間違えたら怖い。「抑える」のではなく「育てる」のだ。後輩たちが「本当にお世話になった」「厳しかったけど、楽しかった」――そう思えるような良き先輩であっていただきたい。皆が「張り合い」をもって進めるよう、励まして励ましぬいていただきたい。
 今、人材を育てておかなければ、間に合わない。「次の五十年」を担う青年の陣列を築き上げたい。どうか、よろしく頼みます!
 ともあれ、年配になっても、心まで老いてはならない。牧口先生、戸田先生がそうであられたように、心は生涯、青年でなければいけない。いくら年を重ねても、「さあ、やろう!」と気迫をもって進むのだ。命ある限り、「月月・日日」に、″広宣流布の生命体″である学会とともに、同志とともに、前進、また前進し続けていくことである。
 明年の「青年・躍進の年」とは、年配者も青年も一体になって、皆が青年の息吹で躍進していく一年であることを、朗らかに決議しあって、記念のスピーチとしたい。
 どうか、各方面、そして各国の偉大な同志に、創立七十五周年の大勝利の祝賀と感謝の心を、くれぐれも、よろしくお伝えください。きょうは、本当にありがとう!
 (信濃文化センター)

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