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日蓮大聖人・池田大作

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創立七十五周年記念協議会(2) 心をつかめ! 誠実と熱意で

2005.8.24 スピーチ(2005.8〜)(池田大作全集第99巻)

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4  「青年は心して政治を監視せよ」
 ジェファソンは、教育の普及が民主主義の柱であると考えた。彼はしばしば言った。
 「人民をして知らしめよ、然らば彼らは正しい決定を為すであろう」(長守善『トーマス・ジェファソン』刀江書院)
 その思想の根底には、民衆に対する限りない愛情と信頼があった。
 彼は主張した。
 「私は、わが国民には今後長い間にわたって、権力の濫用をただすにたるほどの美徳と善意とがあるにちがいないと信じております」(ソール・K・パドーヴァ編『ジェファソンの民主主義思想』富田虎男訳、有償堂高文社)
 民衆よ賢明になれ! 為政者を監視せよ! 権力の乱用を糺せ!
 これがジェファソンの叫びだったのである。
 思えば、私との対談でトインビー博士は、こう慨嘆しておられた。
 「今までのところ、政治は、人間が最も悲劇的な失敗に終わっている分野」であり、「政治は人類の活動のなかでも、これまで最も不首尾で、最も才能がなく、最も非創造的で、最も工夫が足りなかった分野ではなかろうか」
 まったくそのとおりと思う。よき政治、よき社会、よき指導者をつくるためには、民衆がもっと賢明になることだ。青年が声を上げることだ。
 戸田先生は、鋭く言われた。
 「今日の政治の堕落の根源は、その罪の大半が青年にあると論ずる外はない。
 青年は敏感である。もし、自己というものを確立し、自己の思想抱負を尊重し、天下大衆の幸福を切願するならば、今日のような、腐敗した代議士にだまされるわけはない」
 「とまれ、青年は心して政治を監視せよ」(「選挙と青年」、『戸田城聖全集』1所収)
 この重大な遺訓を忘れてはならない。
5  行動が自分をつくる、歴史を開く
 ジェファソンは言った。
 「時間を無駄にすることのない人は、決して時間が足りないという不平は言わないものである。常に行動していれば、実に多くのことを達成できる」(前掲『モンティチェロのジェファソン』)
 まったく正しい人生哲学だ。行動だけが自分をつくる。行動だけが歴史を開く。行動のなかでこそ、生き生きとした勝利への智慧が生まれる。
 私の大好きなジェファソンの言葉がある。
 「活発な精神は常に幸せである」(同前)
 まさに、勢いよく広布へ進む、わが同志の姿である。仏法のために、努力また努力し、動き、苦労して、わが目標を達成していく。それらは、全部、功徳に変わる。自分の得になるのである。要領よく泳ぐ人間は、結局、損をする。まして広布を阻む悪人の末路は厳しい。皆さまが、よくご存じのとおりだ。
 また、世間の財産は、今世だけで終わる。仏法に生きぬく人は、三世にわたる福徳を築いていける。想像を絶する大満足の幸福境涯になることは、御書に照らして絶対に間違いない。
 日蓮大聖人は「法門を説き聞かせたので、未来までの仏種になる」(御書1486㌻、通解)と仰せである。
 妙法を語った分、仏縁が広がる。仏になる種を蒔いているのである。これほど幸福を深め、正義を広げる聖業はない。われわれは、広宣流布という最も崇高な使命のために行動している。
 私たちほどの幸福者がいるものか!――との晴ればれとした大確信で、わが決勝点へ、悔いなく走りきってまいりたい。

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