Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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方面代表者会議 目標を持ち、同志と歩む人生は愉快

2005.8.22 スピーチ(2005.8〜)(池田大作全集第99巻)

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3  人間ならば、優れた宗教を選択せよ
 歴史学者トインビl博士は、私との対談の中で、力強く、こう語られた。
 「われわれは、何らかの宗教をもたないかぎり、人間ではありえません。そこでなされるべき選択は、宗教をもつかもたないかの選択ではなく、優れた宗教をもつか、劣れる宗教をもつかの選択なのです」(『二十一世紀への対話』本全集第3巻収録)
 これが、二十世紀最高峰の知性の結論であった。
 戦乱と暴力の流転であった人類史を、いかに転換するか。博士は明確に主張された。
 「真の永続的平和には、宗教革命が欠くべからざるものだと、私は確信します」(『未来に生きる』毎日新聞社)
 その宗教革命の希望として、博士は、大乗仏教、なかんずく現代に生きる日蓮大聖人の仏法に注目されたのである。
 どのようにして、宗教が社会に貢献していくか。このことを考えるとき、若き日に読んだ思想家・内村鑑三の言葉もまた、忘れることができない。
 「西洋に在りて人は政治を最大のものとは認めません、宗教は政治以上の者であると信ぜられます」(『内村鑑三著作集』4、岩波書店)
 正しき信仰に生きる人は、いかなる権力者よりも強い。彼は、こうも述べている。
 「宗教は信ずべき者であって利用すべき者でありません」「国民は宗教を信ずるを可とし、政治家は之を信ずるの必要なしと云う理由は少しもありません」(同前)
 まったくの正論だと思う。この内村鑑三は、私の青春時代の読書サークルの友人たちが、尊敬していた思想家でもあった。関東ゆかりの偉人である。
 「世は誠実を以てのみ勝つことが出来ます。世に虚偽多しと雖も、虚偽を以て之に勝つことは出来ません。正義はやはり最後の勝利者であります」(同著作集8)
 今も、深く心に残っている彼の言葉である。誠実は、必ず勝つ。虚偽には断じて負けない。正義は、絶対に勝利する。否、断固として勝利しなければならない。これは、戸田先生の弟子として、この五十八年間の大法戦を戦い続けてきた、私の信念でもある。
4  自身の勝利へ! 勇気の師子吼を
 近代看護の母ナイチンゲールは訴えた。
 「どんな仕事をするにせよ、実際に学ぶことができるのは現場においてのみである」(湯槇ます監修・薄井坦子編訳『ナイチンゲール著作集』2、現代社)
 戦場で、命がけで看護を続けた彼女の言葉だから、重みがある。広布の戦いも同じだ。現場にこそ、勝利のカギがある。リーダーは、「最前線」に飛び込み、激闘に次ぐ激闘のなかで、自身を鍛えていっていただきたい。
 イギリスの女性作家であるシャーロット・ブロンテは、「人間は能力の及ぶかぎり正しいことをなすべきです」(エリザベス・ギャスケル『シャーロット・ブロンテの生涯』中岡洋訳、『ブロンテ全集』12所収、みすず書房)と手紙につづっている。自分一人が努力してもわずかなものだ、などという考え方はよくない。ベストを尽くそう!――そういう信条であった。
 大聖人は、熱原の法難にさいして、「彼等は野干のほうるなり日蓮が一門は師子の吼るなり」と励まされた。
 私たちの「広布の声」「勇気の声」は、何ものにも負けない力を持つ。戦った分、自分の福運になる。また、家族の福運、子孫末代までの福運となっていく。どんなに社会的な力を持った人も、仏法の功徳を受ける人には、かなわない。真実の幸福を築いていく人には、かなわない。私たちは、師子の大音声を放ち、卑劣な中傷など、はじき飛ばして、「自身の勝利」「地域の勝利」「広布の勝利」へ、猛然と走りぬこう!
 (長野研修道場)

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