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日蓮大聖人・池田大作

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全国最高協議会(7) つねに先陣! それがわが青春の誇り

2005.8.4 スピーチ(2005.4〜)(池田大作全集第98巻)

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4  釈尊は「破和合僧」を厳しく戒めた
 仏典には、仏道修行者の集まりを破壊する動きへの戒めが説かれている。そのいくつかを紹介しておきたい。
 初期の仏教教団においても、教団の規模が大きくなると、怠惰、傲慢、嫉妬などにとらわれ、悪事を犯し、その悪事を隠す者が増えたようだ。ある長老は、そうした様子を次のように語った。
 「会議(sangha)に際しては、たとい徳がなくとも、巧みにいいまくる饒舌無学の輩が有力となるであろう」「会議に際しては、たとい徳がそなわり、恥を知り、欲念のない人々が、道理に従って陳述しても、力が弱いだろう」(『原始仏教の成立』、『中村元選集〔決定版〕』14所収、春秋社)
 また、堕落した者の特徴として、″師の言葉をないがしろにする″点があげられている。(「たがいに相敬うことなく、あたかも荒れ馬が馭者に対するがごとく、師の言に注意することがないだろう」〈同前〉)
 和合僧を分裂させようとし、諌められたにもかかわらず、その企てを捨てなかった者や、首謀者を助けた者たちには、厳しい処罰が科せられた。皆の前で、みずから犯した罪を白状し悔い改めることを誓う。謹慎生活や「別住」を課される、等の罰である。(『平川彰著作集』11、春秋社、参照)
 「和合僧を破す者は一劫、地獄にて煮らる」(『南伝大蔵経』22、大正新脩大蔵経刊行会)とも説かれている。間断なき苦しみの生命となる。
 反逆者の提婆達多が釈尊の教団を破壊しようとしたとき、その動きを助けた者たちは、「分派の加担者」「破和合僧の随順者」等と厳しく戒められた。(前掲著作集14、参照)
 また、戒律を破った罪のある比丘(男性の出家)は、比丘が全員出席する集まりに参加することを禁じられた。出席を禁じられた者のなかには、「破和合僧」を犯した者も、「破和合僧」を企んだ者も含まれる。罪のある比丘が自身の罪を隠して出席した場合、他の比丘には、その比丘の出席をさえぎる権利があった。もし、戒を犯した者が入り込んだ場合、その集まりで決定されたことは無効になった。(同前)
 釈尊が厳しく戒めた罪に、「両舌」がある。「二枚舌」のことである。告げ口などによって人々の間を裂き、離れさせ、争わせるので、「離間語りけんご」とも言う。″不和を助長し、不和を楽しみ、不和を喜ぶ″卑劣な人間であり、″和合の破壊者″である。(前掲『南伝大蔵経』42、前掲著作集16、参照)
 釈尊は、「愚人よ、汝らは、なぜ争いを起こすのか」(前掲『南伝大蔵経』2、参照)と呵責し、離間語を罰した。
 創価の世界は、仏子の集いであり、善の力の「結合」である。心と心を「和合させる言葉」を生み出す人々の集まりである。断じて、「分断」の動きに食い破られてはならない。
 日蓮大聖人の時代に、優れた弟子であったにもかかわらず、退転した三位房という弟子がいた。
 大聖人はその不幸な死を書き記し、「鏡のために申す」――後世のために言っておく、とつづられている。
 私たちの広布の歴史もまた、正義と極悪との戦いの真実を、厳格に刻みゆく。わが学会は、どこまでも真剣な祈りを根本に、ともに励ましあい、永遠の和合僧団として前進してまいりたい。
5  後継の青年を鍛え育てよう
 アメリカ創価大学は、この八月、新たに五期生を迎える。世界各国から、情熱あふれる英才たちが、勇んで集ってくる。創立者として、これほどうれしいことはない。
 アメリカ創価大学の開学は、二〇〇一年五月。開学十周年をめざし、さらなる施設の充実が検討されている。「平和の指導者」を育成する最高学府の建設を、全力で応援してまいりたい。
 少子化の時代である。大学をはじめ、あらゆる団体が生き残りをかけて必死である。若い人材の育成に全力をあげている。
 私たちにとって、未来部の友は、将来の学会を担い、世界の平和を担いゆく大切な「宝」の存在だ。全員が、尊き使命を持っている。
 学校の先生もそうだろうが、子どもたちを育てる上で大切なのは、大人自身の人間性である。魅力である。
 「教員は学生のしもべであれ」と言われる。ますます「教員の質」や「学生へのサービス」が問われている時代だ。
 まず大人が成長!――これを心に刻まなければならない。
 そして若き友の努力を讃え、よい点を見つけ、ほめて伸ばすことだ。時には「漫才」をするようなつもりで皆を楽しませながら(笑い)、また、深き「哲学者」として大確信を語り、ながら、正義の心、正しい価値観を教えていくことだ。心から信頼される存在となっていくことである。
 私も、小学校時代の恩師のことを今でも覚えている。子どもは、大人の温かな振る舞いを忘れないものだ。若き日の励ましは、一生の宝の思い出となろう。
 大切なのは、魂と魂のふれあいである。心に理想の火を点すのだ。
 後継の青年を、今こそ鍛え、育ててまいりたい。
 (長野研修道場)

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