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日蓮大聖人・池田大作

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全国最高協議会(4) 青春の闘争が「人間」をつくる

2005.8.2 スピーチ(2005.4〜)(池田大作全集第98巻)

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4  学会の会合は「励まし」と「和楽」の集い
 いくつか御書を拝したい。
 大聖人は「法華行者逢難事」で門下に対して、「このような末法の濁った世にあっては、たがいにつねに語りあって、いつも後世を願っていきなさい」(御書965㌻、通解)と仰せである。
 「寺泊御書」では、「信心の志のある人たちは、また一つの場所に集まって、この手紙を読むのをお聞きなさい」(御書951㌻、通解)と述べておられる。
 ともに大難の渦中の御手紙である。
 同志の連帯、励ましあいが、どれほど大切か。和気あいあいと会合に集い、御書を学ぶ。広宣流布の精神を学ぶ。すべて、大聖人の仰せのとおりの実践なのである。
 大聖人は悪知識について、次のように記しておられる。
 「顕謗法抄」では、「悪象のために殺されても地獄・餓鬼・畜生の三悪道に至らないが、悪友(悪知識のために殺された場合、三悪道に至る」との涅槃経の文を示され、「後世を願う人は、一切の悪縁よりは悪知識を恐れるべきである」(御書452㌻、通解)と仰せである。
 「唱法華題目抄」でも、「国を滅ぼし、人を悪道に堕とすものは、悪知識に過ぎるものはない」(御書8㌻、通解)と述べておられる。
 また、外見は、いい格好をしながら、名利をむさぼり、学会を食いものにしようとする卑劣な人間もいる。そうした悪人に、だまされてはならない。
 さらに「南部六郎殿御書」では、「もし正法を誹謗する者であるならば、ともに住んではならない。また、親しみ近づいてはならない。もし親しみ近づき、ともに住するならば、阿鼻地獄にいくことになるだろう」(御書1374㌻、通解)との経文を引かれ、正法誹謗の者に親しみ近づくと地獄に堕ちる、と厳しく誠められている。
 仏法は厳しい。悪と妥協すれば、ともに不幸の道へと堕ちてしまう。だからこそ仏法破壊の悪とは断じて戦え、と大聖人は教えておられるのである。
5  トインビー博士″宗教が人類の可能性を開く″
 イギリスの歴史家トインビー博士との語らいは、私にとって忘れ得ぬ思い出である。
 博士は、世界宗教の重要性について、こう語っておられた。
 「われわれは、あらゆる人間の目を開かせ、そこから人間が全人類を包含する社会の一員であり、人類が全宇宙的な生命体の一部であるという自覚をもたせるような、世界的宗教を必要としています」(『二十一世紀への対話』。本全集第3巻収録)
 日本の雑誌で紹介された講演の中では、人類に、無限の可能性を授ける宗教の役割について論じておられる。(月刊誌「自由」一九六八年一月号、参照)
 博士がとりわけ注目しておられたのが、東洋思想の精髄というべき仏教であった。
 博士は、仏教を現代に展開する創価学会の活動に注目していた。そして、私との対談を希望し、書簡を寄せてくださったのである。博士は健康の問題もあり、日本への訪問はむずかしい状況だった。そこで博士の招待を受け、私がロンドンにうかがうことになった。
 ロンドンにある博士のご自宅では、ご夫妻が最大に歓迎してくださった。そして、ご自宅の中を、ていねいに案内してくださった。
 一流の大学者であるにもかかわらず、傲慢さや偉ぶる様子など微塵もない。息子ほど年の離れた私に対して、本当に温かく、真摯に接してくださった。偉大な博士であった。
 博士は語っておられた。
 「人類の生存に対する現代の脅威は、人間一人一人の心の中の革命的な変革によってのみ、取り除くことができるものです。
 そして、この心の変革も、困難な新しい理想を実践に移すに必要な意志の力を生み出すためには、どうしても宗教によって啓発されたものでなければならないのです」(前掲『二十一世紀への対話』)
 博士が注目し、期待を寄せた創価の大民衆運動は今、大きな潮流となって地球を包んでいる。人類の希望として、世界の識者が賞讃している。
 私たちは深き誇りを胸に、この「人間主義の大道」「幸福の大道」を歩みぬいてまいりたい。
 (長野研修道場)

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