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日蓮大聖人・池田大作

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新世紀第4回関西総会、韓国・百済芸術大… 断じて勝つ! それが関西の使命

2004.11.23 スピーチ(2004.9〜)(池田大作全集第97巻)

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7  正邪の峻別が学術の根本
 二百年ほど前、貴国の大詩人・丁若鏞チョンヤギョン先生は、″学術の根本の目的は、「正邪の峻別」にある″ことを強く訴えました。
 善か悪か、それを峻別してこそ本当の学問である。まさに、鋭く急所を突いた思想であります。
 嫉妬の讒言を受け、何度も迫害された、この大詩人は、こう喝破しています。
 「もともとの志を失った悪人が、撹乱しようと陰謀を企む時は、必ず先に、流言飛語を広め、民の心を動揺させるものだ」
 流言飛語とは、″事実無根のウソ″のことです。今も、昔も、方程式は同じです。
 ――そうした諸悪は、断固として切り返せ! 打ち破れ!
 そして真実の「善」と「美」の世界を、断じて護り、広げゆけ!
 これこそ、真の芸術家である。これこそ、まことの文化人である――。
 こう、貴国の戦う詩人は教えているのです。
 ここにおられるイー理事長は、朝鮮王朝の正統の流れを汲む名門中の名門に育たれました。
 若き日は勇気ある言論人として、弾圧にも怯まず、烈々たる破邪顕正のぺンを振るい、権力の不正をまっこうからただした。
 さらに、道知事として、また国会議員として、民衆のために奔走してこられました。
 そして理事長は、長年の夢であった教育の聖業に身を捧げ、あらゆる艱難を乗り越えて、貴・百済芸術大学を創立されたのです。(拍手)
 それはまた、″民の声に学べ! そして、貧しい人々、悩める人々の側に立って、戦え!″という師匠の教えに決然と応えてこられた、使命と勝利の崇高なる人生の劇なのです。
8  「対話」「文化」の波を起こせ
 ともあれ、時代はさまざまな潮流がぶつかり、渦を巻いて、新たな複雑、動乱の様相を呈している。世界は暗くなってしまった。
 だからこそ、「暴力」に対しては「対話」の波をつくる以外にない。
 「戦争」に対しては「文化」の波をつくる以外にない。
 「虚偽」に対しては「真実」の波をつくる以外にない。
 そして、「破壊」に対しては「創造」の波をつくる以外にないのです。
 断じて強く、また賢く波を起こし、前進していかねばなりません。
 その意味からも、私たちは、今ふたたび、あの百済の「文化の開拓精神」に深く学びながら、人間生命の無限の創造力と智慧を、闊達に、そして威風堂々と発揮していきたい。これこそが、わが創価学会の精神でもあります。
 思えば江戸時代、貴国の「通信使」の方々と、心の通いあう文化の交流を、そして人間の交流を繰り広げた天地の一つが、関西でした。
 当時、貴国の通信使の一行が「大坂の書籍の盛んなること、じつに天下の壮観である」(申維翰『海游録――朝鮮通信使の日本紀行』姜在彦訳、平凡社)と感嘆した言葉も、今日まで伝えられています。良書の普及こそ、健全な文化の基盤なのであります。
 今、大阪の上町うえまち台地(大阪市)には、希望あふれる新たな関西の記念会館(関西池田記念会館)の建設が進んでいる。(=二〇〇六年十月に完成)
 いよいよ、これからである。この五十年は勝ちました。今、私は、次の五十年へ向かって戦いを開始しています。じつは、この記念会館が建つ地域は、かつて「百済川」が流れ、「百済野」と呼ばれた、ゆかりの地です。過去から現在、そして未来へ、韓日友好の大河は、泊々と流れ通っている――そういう意義があることを、関西の皆さんは、よく知っていただきたい。
9  青年は闘争精神で立て
 貴大学のシンボルマークには、新しき星が、世界へ、宇宙へ、ダイナミックに文化創造のエネルギーを放ちゆく光彩が描かれております。
 私たちは、貴大学、そして貴国との友情を、さらにいちだんと深めてまいりたい。韓国、そして中国と友好を結ぶことができなければ、日本の未来は暗い。日本は、孤立してしまいます。
 日本は韓国や中国から文化を吸収し、発展してきたのです。「ナラ(奈良)」をはじめ、貴国に由来する言葉も、たくさん残っております。(「ナラ」は「国」などを意味する韓国語)
 ともあれ、「常勝関西」は学会にとって絶対になくてはならない意義深き天地です。関西には、永遠に正義の勝利を決定づける使命がある。
 最後に、韓国独立の雄弁な大指導者・呂運亨ヨウニヨン先生の言葉を、私は関西の青年部に贈りたい。
 「ひとたび倒れても、また立ち上がって戦う闘争精神とそ、青年が受け継がねばならない精神である」
 「戦え、そして勝利するのだ! 国土が暗くとも、胸の中には光を抱け! 歴史は、厳正に審判するであろう」(「夢陽 呂運亨先生記念事業会」のホームページから)
 敬愛してやまぬ貴大学の百載無窮のご発展を、私と妻は一生涯、真剣に祈りぬいてまいります。さらに、尊敬するイー理事長をはじめ会場の皆さま方、そして愛する全関西の同志の百福荘厳な常勝の人生を、心よりお祈り申し上げます。
 カムサ・ハムニダ!(韓国語で「ありがとうございました」)
 (東京牧口記念会館)

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