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日蓮大聖人・池田大作

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各部代表者会議 次の五十年へ 広宣の魂を継ぐのは青年

2004.10.28 スピーチ(2004.9〜)(池田大作全集第97巻)

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11  勇気!賢者はあきらめない
 ドイツの文豪ゲーテは謳った。
 「誰が自分自身を知ろう、自分の能力を誰が知ろう。
 勇気ある人はやれるだけやってみるのだ。
 自分が何をなしたか、失敗だったか成功だったか、
 それは時を経てみてわかることだ」(「人に宛てて」松本道介訳、『ゲーテ全集』1所収、潮出版社)
 だれが何と言おうと、自分の信じたことを真剣にやりぬくことだ。いっときの評判など、はかないものである。厳然たる「時」こそが、その成否を証明する。
 そのために、最も大切なものが「勇気」である。臆病者は、敗北者である。
 ずるくて、臆病な人間は、悪との戦いを避ける。そうした要領のいい姿が、人格者に見えたり、公平な善人に見えることがあるが、だまされてはならない。
 ゲーテは、作中人物にこう語らせている。「世の中には人間はたった二いろっきりいやしないんだ、正直者か悪党か」(『ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』中田美喜訳、『ゲーテ全集』4所収、潮出版社)と。皆さんは、悪と戦う勇気ある人であっていただきたい。
 さらに、ドイツの詩人ノヴァーリスの詩篇から。
 「賢い人は、嵐や波浪との戦いで
 らっし去られそうになっても
 勝負をけっしてあきらめない」(『ノヴァーリス全集』1、青木誠之・池田信雄・大友進・藤田総平訳、沖積舎)
 勝負をあきらめた人間には、敗北しかない。生きとし生けるものは、つねに戦っている。戦いをやめれば「死」である。「生きる」ということは、「戦う」ことなのである。
 イギリスのシェークスピアの戯曲『リチャード二世』では、ある登場人物が言う。
 「敵を恐れることは、恐れが力をくじきますゆえ、みずからの弱みとなるのみならず、敵に力を与えます」(『シェイクスピア全集』6〈小田島雄志訳〉所収、白水社)
 真理を突いた言葉である。
 皆さんは、臆病であってはならない。学会の中に臆病者がいれば、敵に力を与えてしまう。
 折伏精神を、断じて失つてはならない。正義の学会をおとしめたり、尊き庶民をぼかにするような人間とは、断固、戦うことだ。厳然と非を正していくことだ。
 学会の組織の中では威勢のいいことを言いながら、いざ、敵に出あったら、一言も反論できない――そんな″内弁慶″の人間は、リーダー失格である。
 戸田先生は晩年、遺言のごとく言われた。
 「強く生きぬけ! 学会は強気で行け! それが正義のためだ」
12  鍛えと労苦から「気高い心」
 ナチスと戦った、ドイツの劇作家プレヒトの戯曲の中で、侵略者と戦う民衆は叫ぶ。
 「すべての手段で戦うのだ。
 まずなによりも行動を起こせ!」(『ホラティ人とクリアティ人』、『プレヒト戯曲全集』8〈岩淵達治訳〉所収、未来社)
 最後に、古代ローマの哲学者セネカの言葉で結びたい。
 「労苦は気高い心を育てます」(『道徳書簡集』茂手木元蔵訳、東海大学出版会)
 今は、あらゆる意味で環境が整っている時代である。しかし、それに決して甘えてはいけない。
 心を鍛えないと、人間として堕落する。苦労を求め、苦労に徹し、困難と戦いぬいて、気高い心を育んでいくことだ。気高い心を持ってこそ、立派な指導者となれるのである。
 私は、次の大創価学会を担う人材を陸続と輩出するため、人材育成に全精魂をかたむけていく決心である。ともに頑張りましょう!(拍手)
 (=ここで名誉会長は「熱原の三烈士」をピアノで演奏した)
 どうか健康第一で! 青年の諸君は親孝行を!
 きょうは、本当にありがとう!
 (創価文化会館)

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